中国は「現代版プラザ合意」で元高を飲むのか 日経平均よりも米中貿易戦争の行方に注目

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今すぐにも出る可能性のある「第3弾」2000億ドル対中制裁関税のうえに、さらに「第4弾」2670億ドル相当の関税品目が上乗せされると、中国輸入品のほぼすべてに関税を課すことになり、中国との貿易戦争はますます激しいものになる。やはり、米中対立の本質は貿易問題ではなく、「覇権戦争」だからだ。

「現代版プラザ合意」で米中問題を一気に解決?

WIPO(世界知的所有権機関、国際連合の専門機関)によると、2017年国際特許出願件数は、アメリカ5万6624件に対して、中国4万8882件と、両国の差が急接近、このままならおそらく数年で逆転しそうだ。それに対してのアメリカの危機感はそれこそ「ハンパない」ものがある。これは「アメリカから学んだ(盗んだ)知的財産が基になっている」とトランプ大統領は考えている。

実際、アメリカは何十年も、中国人留学生(彼らだけではないが)に、惜しげもなくハイテク技術を教え、国家機密レベルにも場合によっては接近させた。なぜなら「将来アメリカナイズされた彼らが国に帰り、中国を民主主義国家に変えてくれる」と考えたからだ。

だが、現実は違った。彼らの知識で中国は強くなり、ますます共産主義国家として強大になろうとしている。「『中国製造2025』など許すまじ」と、トランプ大統領は考えたようだ。

「歴代の大統領は何を考えて来たのだと腹立たしく思っている」と大統領のツイッターにもある。もちろん、中国の習近平体制の命とも言うべき「中国製造2025」撤回などあるはずはなく、米中双方とも引くに引けない近代戦争が続くことになりそうだ。

そこで、中国の政権維持と、アメリカの貿易赤字・知的財産保護政策を同時に解決するのが「人民元切り上げ」だとも言われる。簡単に言ってしまえば「現代版プラザ合意」だ。今はむしろ元安が進行しており1ドル=7元に迫る現在、極めて奇異に聞こえるが、ニッセイ基礎研究所など、すでに複数のレポートで、アメリカがこうした戦略をとる可能性があることを指摘している。

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