ルノー「メガーヌR.S.」最新進化は何が凄いか ニュルFF最速のシビックタイプRと何が違う

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アタック車両の最高出力はメガーヌが275馬力、ゴルフが310馬力、シビックが320馬力だったという。シビックは販売車両と同じで、メガーヌの限定販売車両も273馬力と近い。310馬力のゴルフGTIの販売は欧州のみで、日本仕様は230馬力にとどまる。

ゴルフと言えば4WDのゴルフRは310馬力を発生するが、価格は550万円を超えるし、シビックやメガーヌとは別カテゴリーととらえるのが自然だろう。メガーヌやシビックとゴルフのマーケティングの方向性の違いが見て取れる。

モデルチェンジしたメガーヌR.S.

ともあれ現在このカテゴリーの記録保持車はシビックタイプRになっているが、先月新たなチャレンジャーになりそうなクルマがわが国で発売された。メガーヌR.S.がモデルチェンジしたのだ。

新型はボディが3ドアから5ドアになった。つまりシビックタイプRはもちろん、日本仕様では5ドアしか用意されないゴルフGTIとも同条件になった。ただし同じ5ドアボディのほかのメガーヌと比べると、全長は4395mmから4410mm、全幅は1815mmから1875mmに拡大している(全長は1435mmで同じ)。

特に一挙に60mmもワイドになった幅が目立つ。これはメガーヌR.S.では初代から、シビックタイプRも先代から使っている、ダブルアクシスストラットという特別なフロントサスペンション形式のためだ。

多くの前輪駆動車が使う通常のストラット式は、路面からのショックを受け止める支柱(ストラット)が、操舵によって左右に首を振る。これに対してダブルアクシスストラットは、操舵で首を振る部分を支柱から切り離した。これによってコーナリング能力が高まっている。

さらに新型メガーヌR.S.には、ライバル2車にはないアドバンテージがある。ルノーでは4コントロールと呼ぶ4輪操舵システム、つまり前輪の切れ角に合わせて後輪も向きを変える機構を搭載しているのだ。

すでにメガーヌのGTグレードに採用しているものと基本的には同じで、車速と操舵の角度、操舵の速度に応じて、低速では前輪と逆方向に最大2.7度、高速では前輪と同方向に最大1度切れる。

ただし低速と高速の切り替えポイントは、GTではノーマルモード60km/h、スポーツモード80km/hだったのに対し、R.S.ではノーマルモードとスポーツモードが60km/h、新たに用意されたレースモードでは100km/hという切り替えに改めた。サーキットの多くのコーナーで逆方向操舵を得るためだという。

低速では前輪と逆方向に切れる4輪操舵(筆者撮影)
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