国民民主党の玉木代表、支持率1%からの船出 国民的知名度は低く、自民党からはガン無視
玉木氏は、民主党が政権交代を成し遂げた2009年衆院選に同党公認で香川2区から出馬して初当選し、現在当選4回。東京大学法学部卒、旧大蔵省出身の政策通として頭角を現し、民進党幹事長代理、希望の党代表、国民民主党共同代表を歴任して「野党の顔」となった。
まだ40代の若さが売り物で、自民党の実力者などとは違って、ネットを駆使して「永田町のユーチューバー」を自称し、自ら街頭の声をリポートするなど党の知名度アップにまい進している。ただ、街頭での「私を知っていますか」との問いへの若者の反応は「あなた誰?」が多く、玉木氏は「改めて知名度不足を実感させられた」と苦笑する。
玉木氏の実家は香川県の兼業農家で、郷里が生んだ「大政治家」の故・大平正芳元首相を敬愛し、同元首相の遠縁でもあったことから初当選時には同元首相の孫娘が秘書を務めた。国民民主の政治路線として「穏健な保守」を掲げたのもこうした出自が背景にある。ただ、生来の「保守寄り」の姿勢が、安倍1強政権との対峙を最大の課題とする野党陣営の中で「国民民主は与党の補完勢力」との批判にもつながったのは否定できない。
参院選野党共闘でも「近親憎悪」が障害に
玉木氏は代表選出後の記者会見などで、来年の参院選での「1人区」での野党選挙協力について「共産党を含めた調整を実現しないといけない。調整の仕組みは必要だ」と述べ、共産党も含めた「野党統一候補」擁立に積極的に取り組む姿勢を強調した。「2人区」についても「与党に漁夫の利を与えないため候補を一本化して『共同選対』をつくるべきだ」と主張した。これに対し立憲民主党は「2人区」での共同選対設置を「現実的ではない」などと否定しており、野党内でも「玉木氏の目指すような野党共闘の実現は困難」(無所属の会)との見方が広がる。
玉木氏は参院選での野党共闘実現への道筋として、秋の臨時国会での立憲民主などとの「統一会派」結成も呼び掛けた。「選挙と国会は一枚岩で」との発想だが、統一会派となれば国会勢力で上回る立憲民主が主導権を持つだけに、国民民主内部でも「野党内で埋没する」(若手)との不安が拭えない。そもそも、立憲民主との間には1年前の旧民進党分裂での相互不信が根強く、「近親憎悪が最大の障害」(国民民主幹部)と指摘する向きも多い。
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