「半分、青い。」に明知鉄道が登場しないワケ 地元駅ではなかった鈴愛と律「あの名シーン」

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ドラマ放映に合わせた企画はほかにも行われている。岩村の隣町となる山岡では、色の異なる稲を使って田植えをし、田んぼに大きな絵を描く「田んぼdeアート」を明知鉄道の沿線で行っているが、今年は「半分 青い」の文字とともに、ふくろう商店街のキャラクターである「ふくろう」、それに恵那市のマスコットキャラクターである「エーナ」を描いた。

山岡の「田んぼdeアート」は、明知鉄道の線路脇にある。「半分 青い」の文字の横を「半分、青い。」ラッピング車が通過中(筆者撮影)

 

「田んぼdeアート」は、山岡在住の40代から50代の有志約20人が参加する「山岡元気プロジェクト」が作っているが、明知鉄道も協力しているという。山岡駅から徒歩15分ほどの地にあるイワクラ公園展望台から見下ろすと、ラッピング車をはじめとする明知鉄道の車両と絡めた写真が撮れることから、平日でも展望台には大きなカメラを持った人が訪れている。

明知鉄道が出てこないワケは?

そんな明知鉄道だが、なぜかドラマ内では一度も出てこない。鉄道駅が一度だけ登場したものの、これはわたらせ渓谷鐵道(群馬県)の駅と車両だった。明知鉄道として、これまで記したとおり協力しているにもかかわらずドラマに登場しない理由はなんなのか、ひょっとして何かトラブルでもあったのかと恐る恐る聞いてみた。

すると、明知鉄道には跨線橋がないためという明確な回答が返ってきた。

わたらせ渓谷鐵道が登場するのは、主人公の鈴愛に幼なじみの律(りつ)がプロポーズする場面だ。断られるのだが、鈴愛が本気で断ったわけではないというドラマの展開では重要なシーンだ。そのやり取りに跨線橋の階段が欠かせなかったのだが、実は明知鉄道には跨線橋のある駅がないのだ。

途中交換駅である岩村駅には構内踏切があるので、ここで代用できなかったものかと思うが、脚本どおりのシーンが必要だったようだ。岩村駅であれば、先に記したように「ふくろう商店街」のロケ地最寄り駅であり、この点はなんとも残念に思える。

次ページ番組終了とともに消えるラッピング車
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