「半分、青い。」に明知鉄道が登場しないワケ 地元駅ではなかった鈴愛と律「あの名シーン」

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ところで、番組の終了が近づくなか「半分、青い。」のラッピング車がいつまで走るかが気になるところだ。明知鉄道によると、9月末の番組終了と同時に運行を終了する予定という。

ちょっと残念だが、これには事情がある。1つはNHKとの契約がドラマ放映期間となっているためだが、ほかにも理由がある。

明知鉄道が保有する車両は全部で6両ある。うち2両が新型のアケチ100形、ラッピング車を含む4両が従来車のアケチ10形で、新型車と従来車は連結できない。だが「食堂車」は最大で3両連結することがあり、その際は一般客を乗せる1両と合わせて4両編成となる。この場合に使用できる車両はアケチ10形だが、「半分、青い。」のラッピング車は旅行商品(食堂車)としては使えない契約となっている。運用に制約が大きいのだ。

券面が半分青いフリーきっぷは、よくみると「青い、岐阜」(筆者撮影)

また、明知鉄道のフリーきっぷは4月から券面の半分が青いきっぷとなっている。ただしラッピング車とは違うデザインで、よくみると「青い、岐阜」となっている。こちらはNHKから使用許可が出なかったため、岐阜県が作成したデザインを使っているそうだ。有人駅である恵那駅と明智駅で販売していて、鉄道利用者はもちろんのこと、車で来た観光客も記念に購入するという。

好影響を今後も継続できるか

「半分、青い。」の放映期間はあと3週間。ドラマの影響で観光客が増えた地域は、放映後はしだいに忘れられてしまうことも多いだけに、10月以降の明知鉄道の取り組みが注目される。

岩村本通りには、昭和チックな飾り付けや「ようこそ ふくろう商店街」の顔出しパネルなどもある(筆者撮影)

岩村本通りの西町商店街では“半分、青い。ロケ地「ふくろうまつり」”をドラマ終了後の10月6日と11月4日にも予定している。おそらく来年以降も年に何度か行うことで、リピーターの獲得と朝ドラのロケ地のイメージ定着を図ることであろう。

NHK朝の連続テレビ小説の大先輩である1966(昭和41)年放映の「おはなはん」では、ロケが行われた愛媛県大洲市の市街地にいまも「おはなはん通り」があり、観光地図には必ず載っている。「ふくろう商店街」も同様に将来にわたってロケ地としての位置づけを保てる可能性はある。

そうでなくとも、岩村本通りは重要伝統的建造物群保存地区として知られた通りであり、恵那市としても観光行政の目玉の1つとして扱ってきている地域だ。その動きに明知鉄道も連動して、増収につながる企画をいかに続けられるか注目したい。

伊藤 博康 鉄道フォーラム代表

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いとう ひろやす / Hiroyasu Ito

1958年愛知県生まれ。大学卒業後に10年間のサラリーマン生活を経て、パソコン通信NIFTY-Serveで鉄道フォーラムの運営をするために脱サラ。1998年に(有)鉄道フォーラムを立ち上げて代表取締役に就任。2007年にニフティ(株)がフォーラムサービスから撤退したため、独自サーバを立ち上げて鉄道フォーラムのサービスを継続中。鉄道写真の撮影や執筆なども行う。

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