東京は高給女と低収入男の「未婚アリ地獄」だ 「年収700万超未婚者」の過半が1都3県に住む

✎ 1〜 ✎ 37 ✎ 38 ✎ 39 ✎ 最新
拡大
縮小

最後に、都道府県別300万円未満の低年収と500万円以上の高年収の男女の生涯未婚率を散布図にプロットしました。恐ろしいほどきれいに分かれています。文字どおり、「稼ぐ女と稼げない男」が結婚できていない現状が可視化されています。そして、高年収女性の未婚率が東京に集中しているのは前述のとおりですが、低年収男性の東京も負けずに高い位置を占めています。

東京圏への過度な人口流入と集中は、それ自体でも問題視されていますが、東京に流入する人口のほとんどが若年層であることを考えると、今後も進む東京一極集中化は、さらなる未婚率の上昇を招くおそれもあります。少なくとも、こと未婚の低年収男性と高年収女性の双方にとって、東京は「結婚できない蟻(アリ)地獄」のようなものと化しているのかもしれません。

荒川 和久 独身研究家、コラムニスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

あらかわ かずひさ / Kazuhisa Arakawa

ソロ社会および独身男女の行動や消費を研究する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』(小学館新書)、『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』(ぱる出版)、『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(ディスカヴァー携書)(ディスカヴァー携書)、『結婚滅亡』(あさ出版)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『超ソロ社会』(PHP新書)、がある。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT