本人は自覚がない「アルコール依存症」の恐怖 「否認の病」の実態とは?
2001年11月、47歳のときにアルコール依存症の治療のため入院することになりました。
【8月31日15時10分追記】記事初出時に2011年と表記しておりましたが、誤りでしたので上記のように修正しました。
妻が私の会社の上司に相談していたんです。ふたりが家や会社での状況について話し合い、「これはおかしい。入院させよう」ということになったんですね。
そして上司から「入院しないと、今後継続して雇用していくわけにはいかなくなる。家庭もあるんだから、入院してしっかり治してこい」と言われて……業務命令ですよね。
嫌々ながら入院
正直言うと、そのとき私は家族のことより、仕事がなくなることがいちばん怖かったんです。なので、嫌々ながら入院しました。
しかし、嫌々という言葉からもわかるように、酒をやめる気なんかないですよね。もちろん、自分がアルコール依存症なんて思ってもいません。一緒に入院している人を見て「あれはアルコール依存症だな」なんて思うんですが「俺はまだシャキッとしてるから違うな」と思うわけです(笑)。
5カ月と少し入院していましたが、最後は外出許可を取ってバスでコンビニまで行って酒を買っていましたし、退院してもすぐに飲み始めました。
※ ※ ※
飲酒によってイライラしたり、落ち着かなかったり。そうした心身の問題だけでなく、仕事や家庭のトラブルも生じ、さらには入院までしているのに「アルコール依存症ではないと思っていた」という松本さん。
しかし、これは松本さんだけに限った話ではありません。
多くのアルコール依存症の当事者が同じように、飲酒によって様々な問題が生じているのに「自分はアルコール依存症ではないと思っていた」と語ります。こうした、自分の病を否定するという特徴から、アルコール依存症は「否認の病」とも呼ばれています。
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