本人は自覚がない「アルコール依存症」の恐怖 「否認の病」の実態とは?

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27歳で結婚したんですが、今思えば結婚したときにはもうアルコール依存症でしたね。

私は胃腸が少し弱いので、過度に飲酒をすると胃が荒れるんです。なので、毎日酒を飲みながら胃薬を飲んでいました。そんな生活をしていても、おかしいと思ったことはありませんでした。

とは言え、酒にまつわる失敗もたくさんしました。

いちばん多かったのは遅刻です。朝起きられなくてという場合もありますし、酒を巡って夫婦喧嘩をして、腹の虫がおさまらなくて会社に行くふりをして違うところに行ってしまうなんてこともありました。

遅刻して会社に行くと酒臭いということで、上司に注意されたこともあります。それでも酒をやめようと思ったことはないんですよ。翌日酒が残っているということは飲みすぎなんだろう。なら、少し量を減らそうかな、ぐらいですよね。

仕事を抜け出して、帰宅途中…やめられない飲酒

スナックやパブの人と話すのはもちろんですが、ビールやアルコールののどごしが好きだったし、酒が入ってフワーッと酔ったときの感覚も好きだったんです。

根が真面目だと皆に言われるんですが、やはり仕事にしても私生活にしても、「こうあらねばならない」と考え、いい加減にできないところがあるんです。

ところが酒が入ると「まあいいや」「また明日考えよう」と思えて、気が楽になりました。

今思えばとんでもない話ですが、仕事中に飲んだこともあります。

裏玄関から抜け出して門を出ると近くに酒屋があって、店の前に自動販売機があるんです。そこで買って飲むわけです。

なぜ仕事中飲むか? お酒は切れるとイライラしてくるし、落ち着かない。何も考えられなくなる。依存症の症状ですよね。

何回か繰り返しているうち、同僚に尾行されバレて、皆の前で上司に呼び出されて怒られました。それはさすがに1回だけでしたが。

でも、怒られても酒はやめられないんですよ。何とか仕事中に飲むことは我慢できましたが、夕方5時になったらすぐに退社して、最寄り駅までの道すがらコンビニなんかで買った酒を飲んで自分を落ち着かせるんです。で、家の最寄り駅でまた飲んで。

その頃には妻にバレないようにということで、店で飲むことはなくなっていました。

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