ドゥカティ・新型バイクのとてつもない咆哮 最高峰マシン「パニガーレV4」刺激的な乗り味

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たとえば、コーナリングABS(アンチロック・ブレーキ・システム)はマシンがフルバンクしている時でも作動し、ABS自体の利き具合も調整が可能。スライド・コントロールシステムは、加速時におけるスリップアングル(タイヤの向きと進行方向の差を指す横滑り角のこと)まで作り込むことが可能!

コーナリングの様子(撮影:尾形文繁)

ただし、これはパニガーレ専用に設計された最新スペックのタイヤであるピレリ社製ディアブロ・スーパーコルサをパワードリフトできるライダーの場合としておこう。

そして、多くのライダーが高性能エンジンの扱いで悩むところがウィリーだが、8段階に調整可能なコントロールユニットのおかげで、最強にセットしておけばライダーは安心して214psの最高加速を楽しむことができる。エンジンブレーキの利き具合も3段階に調整可能で、先に述べたABSとのコンビネーションは他の追従を許さないブレーキングスタビリティーを実現した。

すべてのデバイスは瞬時に自動調整されている

特筆すべきはオーリンズ社製のフロント・リアサスペンションで、電子制御ダンパーだ。

ライディングモード3段階の切り替えにデフォルトで連動しており、ライダーの加減速度とコーナリングフォースに合わせ、走行中でも瞬時に自動調整されている。

もちろん、各ライディングモードでライダーに任意の設定フロント32段階、リヤ10段階のサスペンション調整と電子制御ステアリングダンパーの調整も同じく任意で可能だ。

さらにミッション操作では、シフトアップ時には電気カット、シフトダウン時には近年のスーパーカーではおなじみのオートブリッピング(シフトダウンの際、自動でエンジン回転数を合わせる)もスロットルボディーのステッピングモーターがライダーの右手に変わって素早く行ってくれるので、スタート時のクラッチレバー操作以降はマシンを止めるまでレバーを握る(切る)必要がない。

これだけの装備を使うことがあるのか?というご質問が聞こえてきそうだが、心配ご無用。すべてのデバイスの作動は、ほとんどの場合気がつくこともなく、極自然に作動している。

クルマと違いバイクはそれらの挙動、つまり、トラクション・コントロールやABSの作動時におけるフィードバック自体が不快に感じることも多いだけに、この辺りの技術進化にはとどまるところを知らない。また、3つのライディングモードはハイパワーながら特性が変わってくる。

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