ドゥカティ・新型バイクのとてつもない咆哮 最高峰マシン「パニガーレV4」刺激的な乗り味
また、このエンジン搭載角度を42°後方に回転し搭載したために、真横から見た角度がL型からV型になったことでパニガーレではV型4気筒と表現。さらにはエンジン回転もGPエンジン直系とも言える逆回転クランクシャフトを採用。マシンの加減速やコーナリング時のマシンコントロール性(ハンドリング)に寄与している。
もう1つ、エンジンで特筆すべきこととしてデスモ・ドロミック・システム(強制開閉式バルブシステム)を採用していることだ。
ドゥカティのすべてのエンジンに採用されている、この燃焼室には、馬力損失となりうる一般的なバルブスプリングや他メーカーMotoGPマシンに採用されているニューマチックシステム(エアーバルブ)を使用していない。
カムシャフトから力を受けてバルブを作動させるロッカーアーム自体がバルブステムを直接開閉させることで、スプリングを「押す」という運動エネルギーを省いている。結果、エンジン回転上昇のスピードや高回転時のバルブ開閉の精度の高さを実現したと言える。
強烈なエンジンを手なずけるのは最新の電子制御技術
ここまで書くと、とてつもないエンジンの市販車だということは理解してもらえると思うのだが、結局は人が乗れなければ開発エンジニアのエゴイズムとなってしまう。
この強烈なエンジンを手なずけているのはボッシュ製6軸IMU(慣性計測装置)だ。
これは、ピッチング、ロール、ヨー方向の角度を検出したうえで、さらにそれらの加速度も検出することで、そのマシンがどんな状況かを判断しライダーの要求に高い次元でシンクロナイズさせることを目的としているシステムだ。
まさにこれが現代の最良のトラクション・コントロールシステム(自動車の制御機構を指し、発進・加速時の車輪の空転を防止する装置)で、このテクノロジーはMotoGPの最先端技術競争で培われたものだ。
この6軸IMUと専用ECU(エレクトリック・コントロールユニット)をプラットフォームとして、さまざまな管理も行う。
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