ドゥカティ・新型バイクのとてつもない咆哮 最高峰マシン「パニガーレV4」刺激的な乗り味

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「レース」ではサーキット向けダイレクト感のあるサスペンションとエンジン特性、「スポーツ」ではワインディングでのスポーツライド向けでサスペンションも快適に、「ストリート」でもハイパワーながらも快適なサスペンションセットとスロットルバルブも正しく作動し、市街地や雨での走行も十分に可能だ。

スタンダードモデルよりもスポーツ性能を更に高めた「Panigale V4 S」(撮影:尾形文繁)

筆者がサーキットと市街地でのテストを行った結果、ライディングモードを「ストリート」、トラクション・コントロールを8段(最大介入)、ウィリー・コントロール8段(最大介入)で走行した場合、1〜3速ではまるで600ccツーリングモデルのようなマイルドなエンジン特性を作ることが可能だった。

ただし、それまで押さえられていたエンジン性能も3速以降は復帰し出力特性に変化がもたらされた。一方、レースモードの設定でトラクション・コントロールを最弱にしウィリー・コントロールも最弱にした場合の加速力は、MotoGPマシンとまでは言わないが、ほんの少し前のメーカーが作る「ワークスマシン」と同様に天井知らずの加速を味わうことができる。

この性能も含めて現在市販されているマシンで最もホットなマシンだ。

現代のMotoGPマシンにもっとも近いスペックを誇る

いずれにせよ、美しくシェイプされたイタリアンデザインのマシンをどう走らせるかはオーナー次第だ。かつてのじゃじゃ馬的な印象をもつドゥカティも、最新の電子デバイスによって、外見どおりのエレガントなマシンとなって我々のもとにやって来た。

市街地での信号待ちでは、ギアーがニュトラルで30秒以上、もしくは水温85度以上であれば、Vバンク後ろ側2気筒が気筒休止を行いドゥカティのアイデンティティでもあるL型2気筒のエンジンサウンドの演出も忘れていない。

MotoGP直系マシン、パニガーレV4Sは、ライディングモードの切り替えや、トラクション・コントロールのセットで、普段使いから週末のワインディング、気の合う仲間とのトラックデーまで、すべてのステージでオーナーのリクエストに忠実にシンクロナイズしてくれることだろう。

最後にこのマシンは最高出力214馬力で車両重量195kg(燃料満タン時)。パワーウエイトレシオ(車重に対する馬力の大きさ)が1.1ps/kg(広報資料より抜粋)。現代のMotoGPマシンに最も近いスペックで有る事もお伝えしておこう。

宮城 光 モータージャーナリスト

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みやぎ ひかる / Hikaru Miyagi

1962年生まれ。1982年鈴鹿サンデーオートバイレースに於いてデビュー3位。直後にモリワキレーシングと契約、1983年鈴鹿4耐で優勝、同年全日本F3クラスとGP250クラスに於いてチャンピオン獲得。1984年全日本F3クラス、F1クラスチャンピオン獲得。1988年HondaのHRCと国内最高峰GP500ccライダーとして契約。1993年より活動の場をアメリカに移し、全米選手権でチャンピオンになるなど、日本だけでなく海外でも活躍。1998年からは国内4輪レースでもその才能を発揮し、翌年の「4輪スーパー耐久シリーズ」ではチャンピオンを獲得する。また、世界耐久選手権シリーズ・鈴鹿8時間耐久ロードレースでは2003年より5年間ホンダドリームレーシングの監督を務めた経験ももつ。2016年には米国ボンネヴィルにおいて4輪車の世界最高速度記録を達成、世界記録保持者。開発車両ではTeam無限のマン島TT参戦車両・2輪電動マシン「神電」の初期からの開発ライダーを担当し2018年時点で5連勝中、2019年もチャレンジする。一方では、警視庁及び企業向け交通安全講話やライディング&ドライビング講師、専門学校講師などのほかに、 日本テレビのMotoGP解説者や雑誌などのメディアでレースやバイクの解説を務めるなど、多方面で活躍中。ホンダ・コレクションホールではホンダ歴代の2輪4輪グランプリマシンの維持管理テストレーサーを務める。無類のラジコン好き。

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