中国を怒らせた南洋の楽園「パラオ」の苦悩 中国と台湾の間で板挟みに

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「(中国政府が)パラオに行く観光客を停滞させようとしている」と、台湾人が経営する同航空は主張する。中国政府による禁止後、同航空の予約が半減しているという。

過去にも、中国は観光を外交の道具として利用している。昨年は、米最新鋭地上配備型ミサイル迎撃システムを韓国が配備したことを受け、韓国ツアーが停止された。

パラオを違法な渡航先として指定したのは、台湾と距離を置くよう圧力をかける目的かと質問したところ、中国外務省は、他国との関係は、中台がともに1つの中国に属するという「1つの中国」政策の枠組みの中で構築されるべきだと説明した。

「1つの中国の原則は、中国が世界のすべての国々と協力的な友好関係を築き、維持するための前提であり、政治的基礎だ」と、同省はロイターに文書で回答した。パラオについては具体的に言及しなかった。

台湾外交部(外務省に相当)は、中国が寛大な支援パッケージや投資を提供することで、この2年間で5カ国の外交承認を、台湾から中国へと変更させたと主張する。

「深刻な外交的脅威に直面しているが、台湾政府は北京からの圧力には屈しない」と、同外交部はホームーページ上で表明。「台湾は、地域の平和と安定を維持し、国際社会において正しい地位を確保するため、友好国と協力する」

レメンゲサウ大統領「台湾により共感する」

パラオのレメンゲサウ大統領は、観光規制について中国政府から公式の通知は受けていないと話った。

「われわれや台湾の外交的友好国に対し、中国が自国に乗り換えてほしいと考えているのは周知の事実だが、1つの中国政策はパラオが決められるものではない」。レメンゲサウ大統領はパラオ第2の町ミューンズでロイターにそう語った。

現在2期目で2021年1月に任期が終わるレメンゲサウ大統領は、パラオは中国からの投資や観光客を歓迎するが、政権の方針や民主主義の理念上では、台湾により共感すると話した。

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