ジムニーとタメ張る悪路最強「消防車」の正体 モリタが開発、高い走破性で駆け抜ける

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ジムニーと最も異なるのは足回りだ。ジムニーは悪路での衝撃を受け止め、車体の損傷を防ぐべく、サスペンションは固めにしている。しかしレッドレディバグは正反対で、ひとことで言えばフワフワ。このうえなく快適だ。乗り心地が良いので患者搬送にも向くのではないかと思った。

そのため舗装路でステアリングを切ると大きくロールするが、わが国で運転するのは消防署員に限られるので問題ないだろう。最小回転半径は約4.8mと軽自動車のジムニーと同じ数字であり、小回り性能は申し分なかった。さらに後輪独立ロック機構により、その場で回転することも可能だ。

インパネ左端にダンパ登録のレバーを装備(筆者撮影)

悪路では床下をぶつけてしまうのではないかと危惧したが、工場敷地内の段差を乗り越えると、フワッという感触の中にしっかりしたダンピングが感じられた。しかも床下はエンジンまわりを含め入念な補強が施してあり、岩場などでガンガン当てながら進んでも問題ない作りだという。

早ければ来年にも現場に配備

レッドレディバグは早ければ来年にも現場に配備されると言われる。私たちが個人で向かうフィールドならもちろんジムニーで十分であるが、消防の分野では自然条件や社会情勢の変化もあり、既存のカテゴリーでは対応しきれない現場が出てきていることも事実である。

そんな中で海外向けの多用途4輪車に目をつけ、小型オフロード消防車に仕立てたモリタの着眼力と実行力は、日本のモビリティにかかわる事業者にとって参考になる事例ではないだろうか。

森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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