リアコンビネーションランプも特徴的だ。外から見ると伝統を受け継ぐ横長であるが、点灯時には赤い円筒が内部に3つ現れる。こちらもまた日本の伝統を表現した仕掛けだと思った。
日本製最高級車らしく細やかで入念な配慮
塗装の艶にも感心した。筆者が新型と対面したのは夜の東京だったこともあり、街のネオンがこんなにきれいにボディに映り込むんだと、見とれてしまったほどだ。開発担当者の話では、人が映り込んだとき、その姿が過度に歪まないよう、パネルの形状まで配慮しているという。日本製最高級車らしい入念な配慮だ。
ドアを開けてキャビンに乗り込むと、やはり後席重視の自動車であることが伝わってくる。天井さえ中央に段差をつけ、その段に木目を埋め込んで広がりを強調しているのだから。それでいてミニバンとは違う、セダンならではの「包まれ感」もある。コイルスプリングを用いたシートの座り心地は極上で、電動オットマンから靴べら立てまで、あらゆる装備が備わっている。
ここで感じたのは、クラウンやレクサス「LS」のように有機的な曲線や独創的な素材を用いるのではなく、外観同様に水平基調で落ち着いた仕立てになっていることだった。この点はロールス・ロイスとも共通する。メルセデス・ベンツやBMWとは異なるカテゴリーであることを教えられた。
2つの前席の間に小さな壁が存在していることも特徴だ。エアコンのルーバーを上に置くなど機能的な理由もあるが、運転手の操作が後席からわからないようにするのも目的だという。そんな配慮までするのかと驚かされた。
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