小さい怒りを抑えられず正当化するためには、短い言葉で相手を罵倒する必要があります。2人は汚い言葉で、友子にも「この野郎!」「お前のために人生が狂った!」「死ね!」などと投げつけるので、最初彼女は自分に何が起ったか理解できないほどだったとか。友子は子どもをひとり親にしたくない一心で耐えるだけ耐えましたが離婚し、元夫とは遠く離れて没交渉で、小学生2人の息子を育てました。
ところが息子たちが長ずるにつれて、下の息子の言動が、父親そっくりになったそうです。別れたのは小学生低学年で、まねるほど父親と過ごしたわけでもないのに、たとえば瞬間的に激高したり、人を罵倒するときの言葉は、息子がその父親を見て育ったかのように感じるほどだそうです。
友子はせっかく、その癖の悪い生き方が嫌で離縁したのに、ほっとしたのも束の間のその再来に、すっかり生きる意欲を失くしています。昔は耐えられたことまでその先が見えて耐えられないとも、昔のストレスが重なって息子に身構えてしまう自分が嫌だとも言っています。
あれこれ将来を悲観するのはよくありませんが、娘さんの夫のレベルがレベルだけに、あなたの娘さんの場合、子どもへの影響も視野に入れて復縁は、相当慎重に考える必要があります。
子どもへの経済的援助よりは、自立を支援しよう
さて、母親であるあなた以外の周囲の方々は、娘さんの復縁に反対しておられますが、私もまったく同じ考えです。いくらキレているときの言葉でも、自分の妻を「キモイ顔してみてくんな」と言えるさもしい人に、いささかの同情も覚えません。まだ迷っている娘さんには、あなたの経済事情も話して、せっかくの看護師資格もあるのですから、まず就業が最優先であると促すべきです。
娘さんは、夫の反省に少し心が揺らいでいるようです。子どものことも考えてのことでしょうが、ならば宙ぶらりんを脱するために、一度でも暴言があれば即別れる決心をもって帰るという条件付きの応援なら、行動に出るかもしれません。私は信用しませんが、娘さんが姑さんのような心境になるには、まだ経験が足らないのかもしれません。彼のようなレベルの人間との生活は、不幸は増しても、幸福な人生とは縁遠いものだと、早晩彼女は気づくでしょう。
あなたの息子さん夫婦のこともご心配でしょうが、あなたが仕事を増やしてできる金銭的援助は、限界があります。しかもいずれは子どもたちは自分たちで自立せねばならないのですから、経済問題は、若い人たちが働く方向であなたは後方支援していくほうが得策ではないかと思います。
このケースは、かなりの確信をもって、即離婚を勧めるケースです。間違っても、娘さんの人生を狂わせてはいけません。
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