日経平均は小反発、2万2000円接近後に反転 TOPIXは続落、「様子見ムード」強く膠着感

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 8月21日、東京株式市場で日経平均は小反発した。トランプ米大統領による利上げ牽制発言を受け、一時1ドル109円台まで円高に振れた為替が重しとなり、序盤は売りが優勢の展開だった。写真は都内で2015年6月撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

[東京 21日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は小反発した。トランプ米大統領による利上げ牽制発言を受け、一時1ドル109円台まで円高に振れた為替が重しとなり、序盤は売りが優勢の展開だった。心理的節目の2万2000円に迫ったが下げ渋り、中国株の上昇を支えにプラスに転じた。TOPIXは続落した。

東証1部の売買代金は連日の2兆円割れとなり薄商いが継続。ファーストリテイリング<9983.T>が2%を超す上昇となり、日経平均を約42円押し上げた。セクター別では医薬品、精密機器の上昇が目立った一方、情報・通信が下落率でトップとなった。

大型株で構成するTOPIXコア30<.TOPXC>は0.92%安。TOPIX(0.40%安)よりも大きな下げとなった。小型株指数のTOPIX Small<.TOPXS>も0.40%安。3月26日に付けたザラ場ベースの年初来安値を更新した。

取引時間中はドル安・円高の一服と中国株の上昇を背景に、日本株は売り一巡後は下げ渋る動きとなった。ただ積極的に買い向かう姿勢も限定的。米中通商協議などを控え様子見ムードが強く、大引けにかけては膠着感も強まった。

岡三アセットマネジメント・シニアストラテジストの前野達志氏は「米国による2000億ドル規模の対中追加関税や自動車関税の先行きが明確にならない限り、2万2000─3000円のレンジからの上抜け、下抜けは難しい」と話す。

個別銘柄ではカタログ通販大手のベルーナ<9997.T>が反発。20日発表の7月月次売上高速報を材料視した。買収した和装事業のさが美の影響が加わり、連結総合計では前年同月比22.4%増と高い伸びとなった。東証REIT市場では、MCUBS MidCity投資法人<3227.T>が大幅高。分配金予想の上方修正を好感した。

半面、NTTドコモ<9437.T>、KDDI<9433.T>が後場急落。ソフトバンクグループ<9984.T>もさえない。共同通信によると、菅義偉官房長官は札幌市での講演で「日本の大手携帯電話事業者は競争が働いていない。通信事業の改革をしたい。携帯電話料金は4割程度下げる余地がある」と述べた。携帯大手3社の収益性が悪化するとの懸念から売りが出た。

東証1部の騰落数は、値上がり563銘柄に対し、値下がりが1455銘柄、変わらずが85銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値     22219.73 +20.73

寄り付き   22110.54

安値/高値  22053.14─22306.83

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1685.42-6.73

寄り付き     1686.25

安値/高値    1679.95─1693.80

 

東証出来高(万株) 106753

東証売買代金(億円) 19210.87

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