日本人は、なぜ「チョコミン党」になったのか 平成最後の夏に起きた「嗜好の変化」

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これはバブル絶頂期のティラミスと似ている。ティラミスブームは数年で終了したが、その後日本人の好みは幅広く複雑になっていった。ケーキに関しても、スポンジだけでなくムースやタルトなどにも人気が広がり、2000年前後のスイーツブームにつながった。

単純化して言えば、和テイストにアレンジしなくても、「外国の味」を受け入れるようになったのだ。思えばあれは昭和の終わりだった。今、その後訪れた平成が終わる時を迎えている。時代の変わり目にはやるチョコミントは、何を表しているのだろうか。

鮮やかな色彩の食品も珍しくなくなった

日本人がチョコミント味を知ったのは、サーティワンアイスクリームでだった。サーティワンが日本に上陸し東京・目黒に1号店を開いたのは1974年。当初からチョコミントフレーバーのアイスは並べられていた。最初のうち、バニラや小豆、チョコなど甘い味の定番と異なるミントのスーッとした味わいや、目が覚めるようなミントブルーの色に驚いた人は多かったのではないだろうか。青い色の食品は、日本になかったからだ。

前述のとおり、チョコミントの魅力はその色合いもある。ミント色は、従来の日本的な緑や青とは異なる鮮やかな色彩だ。2001年、赤と緑を組み合わせるなど、独特の濃厚な色彩感覚が斬新なフランス映画、『アメリ』がヒット。この頃、ユニクロのカラフルなフリースの人気も沸騰していた。その後しばらくして、濃厚な色合いのカラフルなマカロンがブームとなる。多方面にわたる濃厚でコントラストが強い色を組み合わせるブームを経て、日本人の色彩感覚は変わっていったと考えられる。

味ももちろん重要なポイントだ。最近は強炭酸の炭酸飲料がヒットし、カラムーチョの人気が再燃したり、山椒や花椒などのしびれ系やブラックペッパーの味も人気と、より刺激的な味を求めるトレンドがある。ミントの清涼感を加えたチョコミント味は、ただのチョコレートより刺激が強い。夏の酷暑に負けじと、チョコミント味のアイスに手を伸ばした人は多いのではないだろうか。

また、サーティワン上陸当初はあまりなじみがなかったミント自体も、1980年代後半から女性誌などで積極的に取り上げられたこともあって、今や大抵の人がその存在になじんでいる。カフェなどで、ミントを飾ったドリンクやアイス、そのほかのデザートを出すことは珍しくないし、ハーブティーでミントをブレンドしたものもある。スーパーには、フレッシュハーブのペパーミントやスペアミントが並んでいる。

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