テスラ「マスク氏ツイート」は株価操作なのか 非公開に向け、「資金を確保した」と明言

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しかし、マスク氏のブログは投資家による訴えを証明しやすくなると、8月10日、テスラに対する株主代表訴訟を提起した2人の原告の弁護士は私に語った。

「ブログ記事は、マスク氏がツイート時にはまだ資金が確保されていなかったことを自ら認めているようなものです」と、ハジェンズ・バーマン・ソボル・シャピーロ法律事務所のリード・キャスレイン弁護士は言う。彼女は、サンフランシスコ連邦裁判所にマスク氏とテスラに対する株主代表訴訟を起こしている。「これは、私たちが思ったことを確認するためです」。

株価操作でカラ売り筋を「ひどい目」に

13日のマスク氏のブログ記事が、投資家による証券詐欺容疑の訴訟を容易にしているかどうか、という質問に対して、テスラはコメントを拒否した。

キャスレイン氏らより1時間ほど早くケラー・レナー法律事務所によって提出された集団訴訟同様、ハジェンズ・バーマン法律事務所も、マスク氏の「資金は確保している」というツイートといくつかのその後の投稿が、意図的にテスラの株価を上昇させたと主張している。ケラー・レナー法律事務所は、マスク氏がテスラの株価を操作して、カラ売り筋をひどい目に遭わせようとしている、と主張している。

カラ売り筋の中には、マスク氏のツイート後テスラの株価が急上昇したことにおびえ、ポジションを守るために急いでテスラ株を買った人たちもいる。キャスレイン氏と、ケラー・レナー法律事務所のトラビス・レナー氏は、テスラ株に対してショートポジションを取っていたヘッジファンドの多くが、マスク氏の8月7日のツイートで殺到した買いの流れを避けたと語っている。

マスク氏のツイート後にテスラ株を買わなかった投資家は、今回の訴訟に加わることはできない。なぜなら、米国の最高裁判例の下では、会社の虚偽の表現に基づいて株式を交換した投資家だけが、詐欺の影響を受けているとみなされることになり、ポジションを持っていただけでは対象にならないからだ。

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