「温暖化」の影響、実はこれからやってくる

さらに強烈な熱波が、頻繁に来るように

こうしたことは何を意味するのか。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の気候科学者ダニエル・スウェインに言わせれば、現在の状況は専門家が使ってきた数理モデルが正しかったことを示している。もちろんそれは何ら安心をもたらすものではないけれど。

「現在は、昔よりも気温が高くなっただけではない。まだ上昇が一段落する『ニューノーマル』には達していない。気温上昇は続いているんだ」

生活スタイルを変えれば緩和できるのか

ところが2017年、代表的な温暖化ガスである二酸化炭素の産業部門での排出量は記録的水準に達した(それまでの3年間は比較的横ばい状態だった)。さらに大気中の炭素の量は、過去80万年間で最高水準にあることがわかった。

1996年末に温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が締結されたが、アメリカなど世界最大級の温暖化ガス排出国は、自ら提示した削減目標を達成できそうにない。富裕国が約束した、途上国のための温暖化基金への拠出も進んでいない。

専門家は、温暖化ガスの排出量を大幅に減らして、私たちが生活スタイルを変えれば(食品廃棄物を削らすなど)、まだ地球温暖化を緩和することはできると言う。だが、この夏のような酷暑を経験すると、その言葉を信じていいものか不安になる。

スウェーデンでは記録的な高温により、畑は干上がり、畜産農家は家畜の餌を確保するのに苦労している。スウェーデン農家連盟のパル・ボリストロム議長は、農業部門の被害額は10億ドルを超えるとの見方を示した。

「心配で夜も眠れない多くの農家から電話をもらっている」と、ボリストロムは言う。「こんな異常気象は私たちにとっても初めての経験だ」。

(執筆:Somini Sengupta記者、翻訳:藤原朝子)

© 2018 New York Times News Service

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