クロマティvs桑田「夢の草野球対決」の全内幕 レジェンドたちが伝えたい「野球道」の神髄

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クロマティ氏は「久しぶり!」と言葉をかけると、あいさつ代わりにがっしりと抱擁。その後、英語で会話を交わし、桑田氏と肩を組んで記念撮影に応じるなど、終始和やかな雰囲気で旧交を温めていた。

にこやかに会話を楽しんだクロマティ氏と桑田氏(筆者撮影)

そして、両監督はそれぞれチームに戻り、円陣を組んで試合前のミーティングを開始。

クロマティ氏は「全員食べろよ〜」と選手一人ひとりにアメリカのガムを配ると、「ちゃんとゴミは自分で捨ててね(笑)」と集まって早々“クロマティ節”全開だった。

そうやって試合前の緊張感をほぐすと、決勝に向けて「毎回(俺は)楽しそうに野球やってるだろ?今日も同じような雰囲気でやりますよ。でも、勝ちにいきましょう」と選手たちに力強く訴えかけた。

一方の桑田氏は「最後まで諦めずに頑張ろう。そして、フェアプレーでいきましょう」と選手たちの目を見ながら、試合でやるべきことを1つずつ確認していく。

この桑田パイレーツは、監督自ら会長を務めるボーイズリーグ「麻生ジャイアンツ」の教え子を中心に結成したチーム。長年、苦楽をともにしてきた教え子だからこそ、公式戦や練習試合に関わらず、成すべきチームの方針が明確にあるのだろう。

両雄が激突!桑田氏が魅せた投球

そして、いよいよ“世紀の一戦”が行われる。両軍ナインはグラウンドに整列し、固い握手を交わした。先発として登板する桑田氏は、そのままゆっくりとマウンドに登る。巨人のエースとして背負い続けた背番号「18」をお披露目すると、現役時代を知るファンや、野球少年が集まった球場は歓声に包まれた。

エクスポズの先頭打者がバッターボックスに立つと、注目の第1球を投じた桑田氏。その美しいフォームから繰り出す、綺麗な回転の伸びのあるストレートは、現役時代そのままだった。

先頭打者に対し、ストライクゾーン低めを丁寧につく投球で2アウトを内野ゴロで奪うと、最後の打者は得意のカーブで三振に斬って取り、三者凡退の完璧なピッチングを披露。淡々とした表情を浮かべたままベンチに戻ると、チームメイトのハイタッチには笑顔で応えた。

初回をきっちりと締め、水分補給をする桑田氏(筆者撮影)

投球後に、試合を観にきていた60代の我妻秀泰さんに話を聞くと、「感動しちゃったね。現役時代には東京ドームに観に行っていたから、もう夢みたい」と目を輝かせながら笑顔を浮かべていた。

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