広陵、「背番号10の主将」が甲子園でみた風景 二松学舎大付に惜敗、広島県代表として・・・
広島大会をノーシードで勝ち上がり、2年連続で甲子園にたどりついた広陵が8月12日の初戦(2回戦)で対戦したのは、全国最多の132校が出場した激戦区、東東京大会を制した二松学舍大付だった。
広陵の中井哲之監督が「甲子園に来てから調子がよくて、150キロは出ると思った」という先発投手の森悠祐が初回からいきなりピンチを招く。
三番打者、平間陸斗のゴロが内野安打になり、ワンアウト1、2塁。迎えるのは四番打者の保川遥、東東京大会で打率3割1分6厘の打率を残した強打者だ。
背番号10のキャプテン・猪多善貴
三塁側の広陵ベンチから伝令役の選手が勢いよく飛び出してきた。
背番号10をつけたキャプテン・猪多善貴だった。
「僕から監督に『マウンドに行ってもいいでしょうか』と断って、マウンドに行きました」(猪多)
ピンチを招いたエース、2年生キャッチャーの鉤流大遂らを集めてこう言った。
「焦らず冷静にいこう。点を取られてもいいから、思い切ってプレイしよう」
県大会で修羅場をくぐってきたとはいえ、大観衆が見守るなかで緊張せずにプレイすることは難しい。しかし、キャプテンのアドバイスで皆が、落ち着きを取り戻し、声も出るようになった。
森は四番にツーベースを打たれ、2点を失ったものの、後続をしっかりと打ち取った。
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