新常識!やせるには「カロリーの質」が大切だ 科学的根拠のある「ダイエット食」とは

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注: 図の横軸は4年間でどれだけ体重が変化したかを表す。すべて食品の摂取量1単位当たりの変化である。これらの食品はすべて体重との関係が統計的に有意であったものである。一方で、体重との間に有意な関係が認められなかったものとして、チーズ、牛乳、ダイエットソーダなどがある(図中には示していない)。
出典:Mozaffarian et al(2011)を基に筆者作成。

フライドポテトを食べる人は太っている

研究結果では、じゃがいも、加糖飲料(糖分を含む炭酸飲料など。ここではダイエットコーラなどの無糖のものは含まない)、赤い肉、フルーツジュースなどをとっていた人ほど体重が増えていた。逆に、野菜や果物、ヨーグルトを食べていた人は体重が減っていた。

それでは、バナナやリンゴなどのいわゆる「糖質の多い果物」はどうだろうか。実は、果物の種類と体重変化との関係は別の研究で検証されており、バナナやリンゴの摂取量が多い人ほどむしろ体重が減っていたことがわかっている。種類にかかわらず果物の多くはダイエットによいと考えてもいいだろう。

注意が必要なのは、これは観察研究(食習慣の違う人たちを追跡して体重変化がどうなったか検証する研究のこと)の結果であるので、因果関係があるかどうかは明らかではないということである。つまり、正確には、これらを食べると体重が減る(もしくは増える)とは言えず、体重が減った(増えた)人はこれらの食品の摂取量が多くなっていたということまでしか言えない。

しかし、それにしても白い炭水化物と茶色い炭水化物とでは体重変化との関係が真逆であったというのは興味深い知見であろう。

ランダム化比較試験では何がわかっているのだろうか? たとえば、ナッツに関しては、複数のランダム化比較試験が行われており、ナッツを食べたグループは食べていないグループと比べて、どちらかというと体重が減る傾向にあったものの、2つの集団の間には大きな差は認められなかった

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