東京医大だけじゃない?医大入試の男女差別 医師ら証言「医大全体にあると噂されていた」

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女性:「頑張ります」

面接官:「具体的には?」

女性:「結婚は考えていません。実家は病院ではないので戻って就職することも考えていません。医師になったら、そこの環境で判断します」

面接官:「でも結婚したくなるかもよ」

女性:「結婚や出産より大事な役割があると思っています」

女性は振り返る。

「国立大の医学部では、特に『その大学のある地方にとどまること』を気にして、結婚・出産を聞いていた感じでした。『覚悟を見せた!』と意気揚々と面接室を出たのを覚えています」

「滑り止めに受けた私立医大では、ダイレクトに『女の人は妊娠や出産、結婚でやめる人が多い。仕事の大切さについてどう考えているか』と問われた記憶があります」

予備校でも想定問答を作っていた

予備校でも、こうした面接に備えた想定問答を作っていたという。

「予備校の医学部受験コースは、入試面接の『模範解答集』を受験生に配布していて、『結婚出産について聞かれたら』という項目もありました。『体力があり、長く働き続ける』ことをPRしなさいと助言していた記憶があります」

「国立大学の医学部に合格したのですが、入学後の講義で、男性の教授が公然と『結婚して関東に戻って医局を離れる"食い逃げ"が多い』とまで言ってましたから。地方国立大学の"食い逃げ"が多いのは、男性も同じ。医局に残りたくなくて男性も逃げていきますよ。女性だけじゃない」

医学部の受験情報サイト「医学部受験マニュアル」によると、東京女子医大を除く医大・医学部で、女子比率が高いのは、富山大学で、女子学生の比率は54%と男子より多い。次の埼玉医科大は47%。次いで、愛知医大、東京医科歯科大学と続く。女子比率が4割以上の共学の大学は、判明している51校のうち、11校だった。51校で一番低いのは東京大で比率は16%。次いで東北医科薬科大の19%だった。

このサイトでは、「30年前の医学部における女子学生の割合が10%程度であったことを考えると、間違いなく女子医学生の割合は上がっている」としながらも現状を次のように指摘、入試対策をしっかり準備するよう呼びかけている。

「公然と女子の合格者を下げることはしなくても、女子が苦手にしがちな数学の難易度を上げたり、女子が比較的多く選択する生物の難易度を上げる、面接の配点を下げるなどにより間接的に女子の合格率を下げている大学もあるようです」

(文:Shino Tanaka 錦光山 雅子)

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