東京医大だけじゃない?医大入試の男女差別 医師ら証言「医大全体にあると噂されていた」
ただ、女性医師になってからも、ハードルは様々なところにある。
「ハラスメントは学生時代も医師になってからも続く。留学したいとか言うと『先生は女の子だから無理だよ』と言われる意味不明な世界だった」
「私は卒後4年目に渡米してアメリカでがん専門医として働いていますが、職場で性別を理由として差別を受けたことはない。いつか日本の医療に貢献したいとは思いますが、こんな現状ではますます日本に帰りたくなくなりました」
多浪で医学部を受験している娘をもつ母親は「多浪の女子学生も差別されていると感じる」と話す。
「聖マリアンナ医大は、昨年度から女子学生は現役と一浪だけになりました。比較的多浪に寛容といわれ、実際男子は2浪以上の入学者も多数いるにもかかわらず、です」
同大のホームページに掲載されている入試データをみると、2016年度入学まで多浪(2浪以上)の女子合格者を受け入れていたが、2017年度からは2年連続でゼロ。代わりに現役、1浪の女子学生が増えている。多浪は男子学生ばかりになった
入試の面接で「結婚、出産」を聞かれる異常さ
この女性の娘は、2017年度に受けた、別の私立医大の入試面接で、次のようなやりとりが2度繰り返されたという。
面接官:「女性だと、結婚とか出産とか大変だと思うけど、大丈夫?」
娘:「はい」
面接官:「大丈夫?」
娘:「はい」
面接官:「本当に大丈夫?」
娘:「あ...はい」
入試面接で、女子受験生だけに結婚や出産について聞かれることは珍しくない。
2007年度に地方の国立大医学部の入学試験を受けた経験のある女性の場合は、こうだった。