ゴルフの「1人予約」がじわり盛り上がる事情 知らない人同士でプレーする新しい経験に

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1人予約をするには1人予約用の会員登録をして、年代やニックネーム、ゴルフの腕前、自己紹介など簡単なプロフィールを書き込む。あとは1人予約を受け付けているゴルフ場のスタート時間に予約を入れるだけ。

自分が予約したスタート時間の組に、ほかの人が予約を入れてきて規定の人数がそろえば成立する。すでに予約が入っている組でよければ、そこに予約を入れると組が成立しやすくもなる。一緒に回る人のプロフィールも見ることができるので(正しく書かれていればだが)安心感もある。

女性にとっては、うれしい特典もある。コースや時間帯によっては、1人予約の女性1人目が無料というサービスも出ている。

「つながり機能というのがあって、一度一緒に1人予約でゴルフをした人には本人の了承の上で過去の同伴者に予約情報をお知らせします。人気者も出てきて、その方が予約を入れると一緒にやりたい人がそこに集まるということもあります」(門伝氏)という。こうして新たなゴルフコミュニティーが生まれ、かつてゴルフ場会員のクラブライフのような経験もできるかもしれない。

新しい人間関係が生まれるチャンスに

知らない人同士で回るのでトラブルはないのだろうか。「日本人の特性なのでしょうか、大きなトラブルはありません。むしろ、会社がらみではないとか、いつもの友人同士じゃないというところが楽しいという方もいるということです」という。

いつもと違う人と回る気遣いはあるだろう。エチケットやマナーを見られるかもしれない。ミスを連発して迷惑をかけるかもしれない心配もあるだろう。とはいえ、新たな人間関係が生まれるチャンスでもある。

今後は1人予約を行っているサイト相互の連携をして、より多くの人に利用してもらえるようにしていく。「組の成立率を上げていくことで、さらに1人予約が広がって行けばと考えています」(門伝氏)という。プレー人口が足踏みしているゴルフ場としても、集客を上げるチャンスにもなる。

一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会の調べによると、1990年代前半は5万人台だった1ゴルフ場当たりの利用者数は、ここ数年3万7000人台で推移している。

気軽にゴルフを楽しめれば、プレー人口減少の歯止めに効果があるかもしれない。少なくとも、ゴルフをやりたいと思った時の人数集めの苦労からは解放される。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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