日本の若者はアジア市場で勝てるのか? 岡崎仁美「リクナビ」編集長×森山たつを対談(2)

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カンボジアとベトナムが注目される理由

——経済的に2000年代までは圧倒的に中国が注目されていましたが、ここ数年で視線が東南アジアに移ってきて、マレーシア、タイ、インドネシアといった国々が注目を集めるようになりました。

森山たつを(もりやま・たつを) 海外就職研究家。1976年生まれ。早稲田大学卒。日本オラクルを経て日産自動車に転職。世界7カ国のスタッフと2年間、グローバル物流管理システムを構 築する。その後、1年間にわたる世界一周旅行、2年間の日本のIT企業勤務、フィリピン英語留学を経て、2011年12月よりアジア7カ国での就職活動で 内定を得るも、日本での啓発活動のため、「海外就職研究家」の道を選ぶ。現在は、海外就職に関する執筆・講演および海外視察・就活ツアーの企画・運営、海 外就職を考える人たちの交流コミュニティの運営などに携わる。著書に『アジア転職読本』(翔泳社)、『普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド』 (大石哲之氏との共著、東洋経済新報社)、『セカ就! 世界で就職するという選択肢』(朝日出版社)。「ハフィントン・ポスト日本版」「JCAST 会社ウォッチ」に連載中。 ブログ「もりぞお海外研究所」 Twitter アカウント:@mota2008

森山:最近はミャンマー、カンボジア、ラオスがだいぶ伸びてきていると感じます。まだ就職の対象ということではないのですが、海外で起業しようとしている人は、それらの国を目指していますね。カンボジアは、2012年から日本人がすごく増えたと、現地の方が言っていました。

今、イオンがカンンボジアに超巨大なショッピングモールを作っていて、2014年か2015年に完成するのですが、そこがいきなりカンボジア最大のモールになるそうです。

そういう新事業で働く人が増えてきて可処分所得が上がってくると、現地でビジネスをやる外国人が増え、今度はそういう外国人向けの飲食店やゴルフショップなどが作られていく。景気で経済がうまく回っていくと、日本人のビジネスチャンスも増えてくるでしょう。ラオスなでも、日本の大手企業が出張所というべき規模の新しい事務所を作り始めているところです。

中国は市場飽和になりつつあって、多くの企業が数年前から“チャイナ・プラス・ワン”という状況にシフトしています。それで、インドネシアやベトナムといった東南アジアの勃興国に日本の大企業が動き出していて、巨大な投資を次々と仕掛けています。さらに、動きの早い企業や起業家は、その先のカンボジアやバングラデシュへ目を向けている。アジアの次の成長ステージが始まりつつあるのが、とても面白いですね。

岡崎:「セカ就」という面で言えば、若い人はやはり経済が発展し、「何かがこれから始まる!」という予感がある国で、自分もその渦中に入って発展に貢献もしたいし、それをリアルに経験もしたいというモチベーションが高いと思います。だから、アジアの中でもすでに発展している国よりは、今まさに発展が始まるというミャンマーなどにも、今後は注目が集まると思います。

最近はベトナムも話題に上ることが多いですね。食事もわりと日本人に合うし、そこそこ安全ですし、国の発展度合いも、あまりにも未開拓というわけでもないちょうどいいバランス。実際に、ベトナムで海外インターンシップをやりたいという相談がきたりします。

森山:実は2013年の海外の現地日本企業への求人件数は、ベトナムがいちばん増えているらしいです。統計的な数字はないのですが、海外就職を斡旋している複数の企業の担当者が、2013年はベトナムがチャンスだと言っています。インターンの応募もそれに連動しているのではないでしょうか。

2012年はインドネシアだったのですが、インドネシアは経済が踊り場に入ったと言われていて、たぶん次の大統領が決まるまで、しばらく停滞するのではないかと言われています。

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