日経平均は反落、米ハイテク株安が影響 日銀金融政策決定会合の結果を前に膠着感
[東京 30日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は反落した。前週末の米ハイテク株の下落を受け、バリュエーション面で割高な成長期待株への売り圧力が高まった。半面、銀行株をはじめとした割安セクターはしっかり。決算発表を受けた個別物色の傾向も強まったが、大引けにかけては日銀の金融政策決定会合の結果を見極めたいとの心理が広がり、膠着感が強まった。
日経平均の下げ幅は一時200円に迫ったが、2万2500円を手前に下げ渋った。次第に膠着感が強まり、後場の値幅(高値と安値の差)は約42円にとどまった。日銀の「指し値」オペ通告後も、反応は限定的。ファーストリテイリング<9983.T>のほか、エーザイ<4523.T>やテルモ<4543.T>といったバリュエーションの高い銘柄の下げが日経平均を押し下げた。
TOPIXは5日ぶりに反落。セクター別ではゴム製品、銀行、鉱業の上昇が目立った。半面、石油・石炭が下落率トップ。医薬品、電気・ガスがこれに続いた。東証1部の売買代金は2兆2900億円弱となったが、TOPIXの浮動株比率見直しに伴うリバランス需要の発生を考慮すれば商いは低調だった。
PBR(株価純資産倍率)の高い銘柄が集まるように構成銘柄の選定をしたTOPIXグロース<.TOPXG>は0.87%安の一方、PBRの低い銘柄が多いTOPIXバリュー<.TOPXV>は0.02%高。メガバンクはそろって1%を超す上昇となった。
また前週末に決算を発表したコマツ<6301.T>は2.73%安。きょう決算を発表した工作機械のツガミ<6101.T>や、FA(工場の自動化)を手掛ける三菱電機<6503.T>などが売られた。中国景気の先行きに対する投資家の警戒感も日本株の動きに反映された。
フィリップ証券リサーチ部長の庵原浩樹氏は「米企業の決算は全体では悪いものではない。一時的にバリュー株への逃避的な買いが入ったが、相場全体をけん引するという点では役不足。良好な決算を発表したハイテク銘柄には見直しの余地もある」とみる。
個別銘柄ではほかに、アルプス電気<6770.T>が堅調。同社は27日、2019年3月期の連結業績予想を上方修正したと発表しており、好感された。電子部品事業において車載市場向け、スマートフォン向けの製品が想定よりも堅調に推移した。
半面、ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765.T>が急落し、年初来安値を更新した。同社が27日発表した18年1─6月期の連結業績は、純利益が前年比36.8%減の76億0100万円。大幅減益を嫌気した。主力ゲーム「パズル&ドラゴンズ」の減収などが響いた。
東証1部の騰落数は、値上がり908銘柄に対し、値下がりが1124銘柄、変わらずが70銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 22544.84 -167.91
寄り付き 22613.30
安値/高値 22518.94─22631.32
TOPIX<.TOPX>
終値 1768.15-7.61
寄り付き 1770.48
安値/高値 1764.10─1772.60
東証出来高(万株) 145078
東証売買代金(億円) 22899.95
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