日銀が「麻薬中毒の日本」に打つべき次の一手 金融政策決定会合で日銀は本当に動くのか?

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もし物価が上がらないから異常な金融緩和を終了できないと思っているなら、経済学と経済への無知であるが、そう考えている専門家や政策担当者はごく一部であり、多くの「まともな」人々は確信犯的に物価を理由に、金融緩和の継続を主張している。

「すぐに麻薬を止めると逆に危ない中毒患者」と同じ

なぜなら、本質的には物価は景気の指標にすぎず、金融政策の目的は物価ではなく、景気調節であり、物価はその中間的ターゲット変数にすぎないから、物価が動かず景気が過熱してくれば、金融緩和を終了するのは当然だからだ。それにもかかわらず、物価を理由に異常な金融緩和の継続を主張するのは、止めることができないことをよくわかっているからだ。麻薬中毒になった場合に、いきなり麻薬を止めればフラッシュバックなどの副作用が激しくかえって病状は深刻になる。日本の金融市場もそれと同じだ。

株式購入という異常な政策も一刻も早く止めたらよいのだが、そうすると間違いなく株価は下落する。マイナス金利も現状では必要のない、副作用の大きな政策だが、止めたときの為替市場のショックに耐えられない。「日銀発の円高はいかなる場合でも許容できない」というスタンスであれば、これも不可能な選択肢だ。

そして、最も問題の大きい、正式名称イールドカーブコントロール、実体は10年物国債金利ターゲットだが、これこそ、少しでも動かせば、直接的に長期金利を上昇させることになり、大きな批判が集まるだろう。まさに、金融緩和中毒症状。すべて止めるべきだが、現実には止められない。だから続ける。その結果、副作用どころかマヒ状態は深刻化し、身体、日本経済と日本金融市場は回復が難しい状態になっていく。

これこそ、本当の現在の日銀の金融政策の「副作用」であり、やりだしたら現実的には止められないという状態に陥る。だからこそ、私だけでなく多くの保守的な金融政策を主張した人々は懸念していたのだ。

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