あのベッカムも絶賛!逆輸入ラーメンの勝算 「アメリカ発」の創作ラーメンが日本に初上陸

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新宿ミロードの店で人気の「抹茶鶏白湯らぁめん」(税込み980円)。抹茶のほか、クロレラやケールを使用して味のバランスを整えている(記者撮影)

理由の1つは、ほかのラーメン店にはない独自色を打ち出したことだ。庄野氏がラーメンのメニューを考案するのは新たに店を開業するときだけではない。定番メニュー以外にも、創作麺を限定メニューとして数多く発表してきた。旬の食材などを使用した麺のほか、ユニークなものではバレンタイン時期限定の「チョコつけ麺」などを考案してきた。

「日本でこれまで創作してきたことで、アレンジ力が身についた。アメリカの人は創作性をとても評価してくれる」と庄野氏が話すように、アメリカでもこだわったのは、現地の食材を使用し、現地の人の嗜好に合ったラーメンを作り上げることだ。日本ではトッピングでホウレンソウを添えるところを、ケールに置き換えるといった具合だ。

原価コントロールを徹底

アメリカの店には鶏白湯、しょうゆ、塩、ヴィーガン(動物系の材料不使用)などといったラーメンがあるが、6~7割の客が注文するのは「鶏白湯らぁめん」。庄野氏は「アメリカの人は、しょうゆのような繊細な味よりも、クリーミーでパンチがあって本能的に喜べる味に引かれる傾向がある」と話す。

冒頭で紹介した「A5黒毛和牛醤油らぁめん」は、「日本の食材である和牛をアメリカでも食べてもらいたい」という思いから生まれたラーメンだ。39ドルと、10ドル台半ばのほかのラーメンと比べて高価ながら、30食限定でもすぐに売り切れる人気ぶりだ。

同商品の原価率は60〜80%と突出しているが、その他のラーメンの原価率をコントロールすることでトータルの原価率は35%程度を維持するなど、コスト管理も徹底している。

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