50歳で出世できず、憂鬱な人に教えたい心得 会社だけが人生じゃない、頭を切り替えよう

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話を詳しく聞くと、最初は出世競争に負けたという、なんとも言えない悔しい気持ちになったようだ。

子どもの頃から優秀で、競争に勝ち続けてきた彼は、新聞記者になっても、同期たちとの競争に意識せずとも参加していたのだ。

そして勝ち続けていた。ところが突然、その競争から外されてしまった。そりゃ、がっくりするだろうな。気持ちはわかる。

このまま落ち込んでしまうところを、私のアドバイスで頭を切り替えた。要するに割り切ったのだ。

出世競争には参加しない。やりたいことを、やり残したことをやる。そう決意したのだ。そうしたら急に気持ちが楽になった。

今では、これまでやりたくても忙しくてやれなかった教育関係の取材を進めたり、ネットニュースのコメンテーターを務めたり、大忙しだそうだ。

「ようやく教育関係の本を出すことになったんです。いやぁ、ポストを外れるって、こんなにいいんですね」

彼の晴れ晴れとした顔を見ると、こちらまでうれしくなった。

50歳からサラリーマンは2度おいしい

彼のような一流企業では、50歳を過ぎて、ポストを外されても、考え方次第では、生き直しとでも言おうか、サラリーマンは2度おいしい(グリコキャラメルのパクリみたいだが)とでも言おうか、結構楽しい人生が待っている。割り切り、考え方次第だ。

その点、会社という安定した場所にいて、好きなことをやれるなら、ポストオフ大歓迎じゃないの!

部下の管理や、上司への忖度(そんたく)をしなくてもよくなるだけでも、ストレスフリーになる。健康で長生きするためには、頭を切り替え、割り切って、50歳を過ぎたらポストオフになろうじゃないか。

五十路の壁②――出世の壁

「出世=できる奴」じゃない

出世するのは「できる奴」と思われていることが多い。しかし、あなたはこんな思いを抱いたことはないだろうか。

「どうしてあの人が転出させられて、あんな人が役員になるのか」

「うちの会社は、無能な人しか役員にならないなぁ」

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