
7月上旬、筆者は4代目ジムニーの最上級グレード「XC」に公道で10分ほど試し乗りしているが、そんなチョイ乗りでは感じ得なかった新型ジムニーの進化を実感することができた。
結論から言えば、走り味はまるで、上質なスポーツセダンのようだ。なぜそう感じるかというと、キモはオフロード走行と同様にロードホールディング性の高さにある。
“ずっしり”しながらも、走りが“スッキリ”
先代の3代目ジムニーの場合、軽自動車としては”重ったるい”感じがあった。また、車体の動きが”もっさり”していた。それが4代目ジムニーでは、”ずっしり”としながらも、走りが”スッキリ”しているのだ。
ステアリングのギア比はオフロード走行も考慮して、セダンはもとよりSUVやミニバンより”緩め”の設定なのだが、これが逆に良い。ステアリング操作に対して車体全体の動きがクイック過ぎず、車体がロールし始め、コーナーリングして、再びコーナーから出ていくという一連の動きが、”ひとつの大きな流れ”のように感じる。人とクルマが調和している。そんな感じなのだ。
こうした優れた運動性能の裏には、ラダーフレームの剛性、ボディ剛性、ボディマウントの性能、サスの動き、シートのホールディング性、そしてジムニーに対応したタイヤが見事に連携している。
一般的なSUVはタイヤからの振動や衝撃などの入力をボディ全体で受け止めるモノコック構造。対してジムニーは、梯子状に組んだラダーフレーム構造で力を受け止めている。ボディがその上にのっかった造りだ。4代目ジムニーはこのラダーフレームの中央部分にエックス(X)形状でのメンバー補強と、フレーム前後にそれぞれクロスメンバーでの追加補強を行い、ねじり剛性は先代モデルの約1.5倍に高めた。これが走りに効いている。
エンジンも毎分3000回転以上でトルクが太く、日常走行で多用する3速と4速での乗用回転域で実に使いやすい。5速マニュアルトランスミッションのシフト感もカッチリしていて実に良い。今回はXCの4速オートマティック車は用意されていなかったが、7月上旬のディーラー付近での試乗では、新たに導入された3速と4速でロックアップ機構がエンジントルクを上手く引き出している印象があった。
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