安倍首相「出馬表明はお盆開け以降」の裏事情 止まらぬ「ゴーイン(強引)グ・マイウェイ」

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総裁選の構図はすでに、首相の「3選」に向けた多数派工作が先行して、「現状のままなら単なる消化試合」(自民長老)になるとみられており、今回の首相発言は「ライバル達を金縛りにして、さらに優位に立つ戦略」(細田派幹部)とされる。

案の定、石破氏は「(出馬表明は)状況を見定めながら、しかるべき時期に決断したい」と言葉を濁し、野田聖子総務相も「優先するのは復旧・復興で、にわかに総裁選に意識が切り替わることはない」と、予定していた8月上旬までの出馬表明の先送りを示唆した。態度を明確にしていない岸田文雄政調会長も「適切な時期に対応を明らかにする」と他人事のような反応に終始した。

憲法改正については逆に前のめり姿勢に転換

派閥領袖の石破、岸田両氏は、それぞれの派閥総会で総裁選への対応について「一任」を取り付けており、無派閥の野田氏も含め、当面は首相の出方や党内の反応を見極めながら水面下での駆け引きを続けるしかないのが実情だ。

特に、派閥内で主戦論と禅譲期待論が交錯する岸田氏は、「お盆前にも首相と会談して、対応を最終決断する考え」(岸田派幹部)とされるが、首相の出馬表明がお盆明け以降となれば「直接会談も先送りせざるを得ないのでは」(同)と気をもむ。

大派閥として総裁選対応が注目される党内第3勢力の竹下派は、豪雨災害で延期した派閥研修会の9月2日開催を決めたが、これは「ぎりぎりまで総裁選の構図は定まらない」(派幹部)との読みからとみられる。まさに党内各派が「消化試合を狙う首相の術中にはまっている」(自民長老)というわけだ。

総裁選に向けた本格的政策論争の先送りも狙う首相だが、悲願の憲法改正については逆に前のめりの姿勢だ。20日の会見で首相は、9月の自民党総裁選に言及した際「憲法改正は結党以来の党是で長年の悲願だ。候補者が誰になるにせよ、次の総裁選では大きな争点となる」と踏み込んだ。

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