参院定数6増を巡る国会攻防は「田舎芝居」だ

野党にもメリット、徹底抗戦はポーズだけ

衆院本会議で参院定数を6増やす改正公選法が可決。成立し拍手する安倍首相たち(写真:共同通信)

西日本豪雨災害への対応が安倍晋三政権の最優先課題となる中、延長国会の会期末を目前にした18日午後の衆院本会議で、「参院定数6増」を柱とする改正公職選挙法が成立した。

各種世論調査でも定数増への国民の反発が際立つ状況なのに、参院での審議入りからわずか2週間足らずでの選挙制度変更には、野党だけでなく与党内にも「国民の理解が得られない」などの批判、反発が根強い。にもかかわらず、極めて短期間の審議で成立したのは、「野党各党にもそれぞれメリットがある」(公明党)ことが背景にあるとみられる。

改正公選法をめぐる国会審議で主要野党は「人口減の中での参院の定数増などありえない。言語道断だ」(立憲民主党)などと徹底抗戦の姿勢をアピールし続けた。しかし、国会に求められている「1票の格差是正」の必要性は否定できないうえ、定数増は結果的に各党の議席増につながる可能性もあるため、「断固反対は国民向けのポーズで、最終的に成立は受け入れざるを得ないのが実態だった」(自民幹部)とされる。

このため、選挙制度という議会制民主主義の根幹を巡る国会攻防は、「建前と本音が異なる与野党の田舎芝居」(閣僚経験者)と化し、改めて「国民不在の政党政治」(同)を浮き彫りにする結末となった。

委員会攻防は短時間で幕引きに

3連休明けの17日、参院から送付された改正案を審議する衆院政治倫理確立・公選法改正特別委員会(倫選特)は参院から送付された改正案を午前中に審議し、各党質疑が一巡したところで自民党が質疑打ち切り動議を提出した。これに対し立憲民主党が平沢勝栄委員長の不信任動議を提出したが、直ちに反対多数で否決された。倫選特は引き続き改正案の採決を行って与党などの賛成多数で可決し、委員会攻防は短時間で幕引きとなった。

野党側は法案採決時に立憲民主など一部委員が委員長席に詰め寄って抗議したが、マイクを奪うなどの物理的抵抗は控え、採決は一瞬で終わった。委員会可決を受け、衆院議院運営委員会は理事会を開き、立憲民主などが欠席する中、改正案を成立させるための18日の衆院本会議開催を、古屋圭司委員長(自民)の職権で決めた。

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