会社がこれから生き残れるかは人事部次第だ

社員の能力開発は人事の手に委ねられている

しかし、これらを実行に移すには、コミュニケーション戦略の見直しが重要になってきます。ITの普及で人と人はいつでもつながれるようになりましたが、実のある社員間のコミュニケーションは依然として課題となっています。

在宅や移動時間に仕事をするテレワークが一般的になったいま、オフィスでのミーティング、メールの一斉配信、手紙のやり取りなどはもはや効果的なコミュニケーションツールではありません。さまざまな場所に分散した社員のつながりを維持するには、アクセスしやすく理解が容易な、タイムリーで業務との関連性の高い、カスタマイズされたコミュニケーションを提供する必要があります。

より個々の社員に合わせたアプローチが必要

報酬・評価制度の組み込みに関する優先度も高くなっていますが、現在の報酬制度が人材のやる気を喚起するのに有効だとする回答はわずか3%にとどまっています。これは、社員が金銭などの目に見える報酬よりも、柔軟性や、自主性、やりがいといったものに重きを置く傾向にあるためです。効果的な報酬・評価制度には、継続的な業績管理、イベントやカンファレンスへの参加の機会、柔軟な働き方の選択肢といった、「意義ある報酬」を含めなければいけません。

人事担当社は長年にわたって、コンプライアンス改善に取り組むと同時に、トランザクションデータに焦点を当ててきました。しかし、このやり方は社内におけるサイロ構造を生み出し、コンプライアンス第一主義で、効果よりも効率を重視するワークフロー(業務に関する一連のやり取り)を築きがちです。しかも、コンプライアンスを重視するあまり、社員同士の人間関係構築というより重要なチャンスが見逃されてしまいます。

スキルが企業業績を左右する今、それぞれの社員により見合ったやり方に転換することが不可欠です。ビジネスデータのみを見て、雇用やキャリアアップに関する意思決定を行うのではなく、候補者や社員のスキルを重視したアプローチへの転換が必要です。このような転換に役立つのが、リアルタイムの人材分析データ――面接結果、業績査定結果、社員調査情報――を活用した、関係性重視のソリューションです。

人材分析データに重点を置くことで、人事担当者は、社員が求めるパーソナライズされた体験を提供できるようになります。従来の業績データやビジネスデータがビジネスの成功に欠かせないものであることに変わりありませんが、一方で人材分析データの重要度は今後増していくでしょう。人に焦点を当てた戦略は、社員と経営陣の間に互恵関係を生み出し、新たな時代において必要とされる人材を定着させることにつながります。

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