外国人労働者に新資格、安易な拡大に危うさ

さらなる受け入れ増には課題が多い

実習生は来日後最低1カ月間、日本語を学ぶ(記者撮影)

グデさんは母国にいる弟の学費として毎月2万円の仕送りをしながら、実習期間の3年間で200万円を貯めた。取材は帰国直前だったが、「可能なら、もっと長く働いて稼ぎたい」と本音を漏らした。帰国後は200万円を元手に土地を買い、カカオの栽培を始める計画だ。日本で学んだ畑の土作りを生かすという。

ホウレンソウや水菜を栽培する飯島浩さんの農園では、インドネシアからの実習生4人が働く。当初はメロンやイチゴも栽培していたが、「時期によっては実習生のために仕事を作らないといけなかった」(飯島さん)ため、通年で出荷できる葉物野菜に専念したという。

実習生の受け入れが広がるにつれ、飯島さんのように栽培品目を切り替える農家も増えている。特にメロン栽培は手間がかかり、農家の高齢化や人手不足も足かせになっている。鉾田市のメロン農家はこの10年で半減した。

受け入れ体制の厳格化で権利保護を徹底

実習生の受け入れには、農家を監督し、現地の送り出し機関との調整などを行う監理団体がかかわる。鉾田市の監理団体、グリーンビジネス協同組合の塙(はなわ)長一郎・代表理事は「実習生と旅行に行ったり、祭りに参加したりする受け入れ農家も多い」と話す。

とはいえ、一足飛びに関係性ができたわけではない。市内では別の農協系監理団体に属する農家で4年前に残業代の未払い問題が発覚。農協系監理団体は5年間の実習生受け入れ停止処分を受けた。それ以降、この地域では「農家に対しての指導を強め、実習生の権利保護を徹底している」(塙代表理事)。受け入れ体制が厳格化される中で、実習生が仕事や生活をしやすい環境が整ってきた。

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