中古サイト「リアルリアル」が急成長する理由 高級ブランドは新品ではなくビンテージで
また、高級ブランド各社の売り上げが、中古品売買サイトによって脅かされるどころか、むしろ利益還流を助けているというサイト側の主張が、これまで以上に受け入れられるようになっているという。
リアルリアルのウェインライトCEOは、売り手が同社サイトで得た収入の約5分の1は、同サイトで新たな購入をするために使われており、かなりの比率が広くアパレル市場に環流している兆候だと語る。
「私たちはすでに、高級ブランドが脅威に感じるであろう地点を通過してしまった」と同CEOは言う。「多くのミレニアル世代にとって、高級ブランドを初めて体験するのは当社のサイトなのだ」
「プラダの店舗にも行く」
リアルリアルには、偽造品を排除するために100人強で構成される対策チームがあり、毎月20万─30万点の商品を処理している。ベスティエールは鑑定士と提携しており、転売のために出品される商品のうち約30%の受け入れを拒否した後で、1日6000点もの商品をサイトに追加している。
再販価格と割引率にはかなりのばらつきがあり、それぞれの商品の状態や、その時点で該当するブランドにどの程度の需要があるかといった要因によって決定されている。
たとえば、リアルリアルでは、2015年にジバンシーが発売した黒のレーストップを1210ユーロ(約15万9000円)で購入できるが、これは本来の価格の約3分の1だ。一方、バレンシアが昨年発売したポルカドット柄のハイヒールは、本来876ユーロだったのが374ユーロまで下がっている。
だが、一部の商品では値崩れしなかったり、中古品にプレミアムがついていたりする例さえある。
2009年にエルメスが発売したマルーンカラーのオーストリッチ革製「バーキン」は、リアルリアルでは2万1130ユーロで販売されているが、昨年時点で新品の小売価格が約1万5000ユーロだった。
ニューヨークのソーホー地区にあるリアルリアル店舗では、中国人留学生ファン・トゥーさんが、中古のプラダやLVMH傘下のセリーヌのアイテムを物色していた。ここはリアルリアルの実店舗1号店で、8月にはロサンジェルスに2号店がオープンする予定だ。
今年リアルリアルで使用済みの衣類を売り、約4500ドルを手にしたトゥーさんは、単に格安商品を追いかけているわけではなく、むしろ、新しいか古いかにかかわらず、お気に入りのブランドで目を引くものを探しているのだという。
「通りの反対側にあるセリーヌものぞくし、2ブロック先のプラダにも行く」。売却予定の古いシャネルのブーツとイタリアブランド「ドルチェ&ガッバーナ」のローファーを手にした彼女はそう語った。
(Sarah White and Melissa Fares 翻訳:エァクレーレン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら