中古サイト「リアルリアル」が急成長する理由 高級ブランドは新品ではなくビンテージで
これまでのところ、LVMHやケリングなどのブランド企業が独自に中古品ビジネス事業を計画している兆候はほとんどみられず、こうした企業が、急成長する同ビジネスからの収益機会を探ろうと、ビンテージサイトとの協議を進めているようだ、とリアルリアルや競合サイトの経営幹部は指摘する。
LVMHはコメント要請に回答しなかった。ケリングは「リアルリアルといろいろ試している」と述べるにとどまった。
敵か味方か
こうした売買サイトは、中古品が再販される価格の一定割合を自身の収益としている。その割合は、商品自体や、同サイトを通じた売主の販売履歴に応じて、10%から50%まで大きく変動する。
リアルリアルは、高級ブランド品市場に昨年参入した「スレッドアップ」や、既存業者の「ベスティエール・コレクティブ」など、好調な中古品市場で稼ごうとするライバルとの競争激化に直面している。
リアルリアルやライバル業者にとって、大手ブランドとの提携は認知度の上昇につながり、優位性を得る可能性がある。
提携協議の詳細については各社とも開示を拒んでいるが、ベスティエールのセバスチャン・ファーブルCEOなどによれば、どんな顧客が自社製品を売買しているのか、また商品価値がどの程度維持されるかなどについて、各ブランドが追跡できるようなデータ共有についても交渉が行われているという。
リアルリアルは英国ブランドのステラ・マッカートニーとすでに提携関係にあり、これも1つのモデルとして参考になるだろう。
ステラ・マッカートニーは自社商品のリサイクルを顧客に積極的に推奨しており、自社商品がリアルリアルのサイトで売れるたびに、自身の店舗で新商品を購入する際に使える100ドル分のクーポンを提供している。クーポン金額の半分はリアルリアルの負担だ。
中古品売買サイト側は、高級ブランド企業の大半が、独自路線を採るよりも、既存サイトとの戦略提携を選ぶものと期待している。その理由の1つは、中古品売買ビジネスのためのロジスティクスにひどく手間取る可能性があるからだ。