日本株が息長く上昇する「3条件」が出揃った 投資家は「長い物差し」で相場を見るべきだ

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改めて2017年以降の日経平均株価を振り返ると、「52週線前後までの調整+上昇方向でローソク足の窓(空間)ができること」が反騰サインとなっている。同サインが出たのは以下の3回だ。

① 2017年4月の仏大統領選懸念

② 同年9月の北朝鮮リスク

③ 2018年3月の米中貿易摩擦後

この3回とも、株価が底入れしたあと、息の長い上昇相場となった。

今回の2018年7月1週(7月2日~6日)も、日銀短観の悪化等をきっかけに日本株は大きく下げたが、52週線前後で下げ渋った。同7月2週には米中貿易摩擦懸念も一服し、日経平均株価は週足で窓を空けたうえ、高値引けした。これは過去3回と同じ「反騰サイン」といえそうだ。

反騰の「3つの条件」が出そろった

この後はどうなるだろうか。7月18日の日経平均株価は2万2794円と4日続伸した。戻りのピッチがかなり速いようにも感じられるものの、年初来で見るとようやくプラス圏へ再度浮上したばかりで、中長期スパンでの過熱感は乏しいと見て良い。また、3本の移動平均線(25日線・75日線・200日線)は2万2200~2万2300円前後で収束し、短中長期の需給は引き締まっている。しばらく日本株の下値は堅そうだ。

以上のことから、日本株は3つの反騰条件(「信託銀行の買い」「52週線」「上方窓」)がそろったことになる。7月は6カ月前の信用取引の高値期日明けが到来、需給改善を後押しするという好材料もある。しかも、株価の体温計といわれる「騰落レシオ」はまだ85%(7月18日時点)と、過熱圏とされる120~140%まではほど遠い。今後は息の長い上昇相場が続くとみている。

もし2018年2月の「VIXショック」による急落時に空いたマド(2万3098円)を埋めれば、損失が膨らむことを嫌って売り方の買い戻しが加速することも想定され、2万3000円台を大きく上回ることも考えられる。そうすれば投資家のスタンスが「戻り売り」から「押し目買い」へ変わっていくだろう。

最後に今後の日経平均株価のテクニカル上の重要な価格をあげておく(7月18日時点)。

 2万4124円 2018年1月高値(年初来プラス5.9%)
 2万3098円 週足のマド(2018年2月)
 2万3002円 2018年5月戻り高値
 2万2794円 2018年7月18日終値
 2万2764円 2017年末値
 2万2316円 25日線(短期線)
 2万2295円 75日線(中期線)
 2万2226円 200日線(長期線)
 2万1830円 52週線(長期線)
 2万1801円 半値押し(3月安値2万0617円から5月高値2万3002円の上げ幅に)
 2万1546円 2018年7月5日終値(直近安値)
 2万0617円 2018年3月安値(年初来マイナス9.4%)

中村 克彦 みずほ証券 シニアテクニカルアナリスト

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なかむら かつひこ / Katsuhiko Nakamura

IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)、日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)評議員。

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