「史上最も早い梅雨明け」と景気の奇妙な関係

夏場の消費にプラスでも「悪いジンクス」あり

2018年の梅雨の期間は6月6日~6月28日の23日間で、これは1978年に並んで過去最短となった。個人消費への影響を考えると梅雨の期間は短ければ短いほど景気にとってはプラスである。しかし、過去に梅雨の期間が異例に短かった年は景気が悪いことが多かったというジンクスがある。

1980年以降で今年の次に梅雨の期間が短かったのは2001年の26日間だが、この年は米国のITバブル崩壊などもあり、景気が悪かった。2013年も26日間で、この年は2012年11月の景気の谷を過ぎたところで、景気は低水準だった。

次に梅雨の期間が短かったのは1981年の27日間で、この年は高度経済成長が終わって安定成長期に移行する中、内需の停滞によって景気が悪かった。1980年2月の景気の山から、1983年2月の谷に向かって景気は悪化していった時期である。

西日本豪雨災害は数千億円の資本ストックを破壊

これはあくまでもジンクスであり、因果関係を見出すことはできないが、今年は西日本豪雨による影響が懸念される。多くの犠牲者を出すことになった西日本豪雨は経済活動にもネガティブな影響を与えたことが明白である。

損保協会によると、過去の風水害等で保険金の支払いが最も大きかったのは1991年の台風19号による被害で、5680億円だった。他の風水害でも金額が10位以内の災害はいずれも1000億円を超える保険金支払いとなった。今回も数千億円規模の資本ストックの毀損は避けられないだろう。むろん、GDPはフローの概念であるため、資本ストックが毀損した分がそのまま経済成長率を押し下げるわけではないが、被害地域の生産工場の操業停止や、サプライチェーンの寸断などの供給制約は経済成長率を押し下げることになるだろう。

逆に復旧・復興需要が生じる段階になれば、GDPにとってはプラスの面もあるなど、今後の経済指標などをつぶさに見ていくしかないが、「梅雨の期間が短い年は景気が悪い」というジンクスが今年も当てはまる可能性が高くなっている。

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