人手不足なのに「外国人留学生」は就職難だ

単純労働人材の拡大より先に解決すべき問題

企業の合同就職説明会に参加した留学生たち(撮影:梅谷秀司)

政府は7月24日、「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」の初会合を開いた。安倍晋三首相は新たな在留資格の創設について「即戦力となる外国人受け入れは急務だ。19年4月を目指し、準備作業を速やかに進めてほしい」と述べた。

外国人労働者の新たな在留資格の創設においては、人手不足が深刻な分野に限り、最長5年の単純労働を含む職場での就労を認める内容だ。外国人を受け入れる分野は建設、農業、介護、造船、宿泊の5つが中心。今後、受け入れ業界などを定める基本方針や環境整備の具体策を盛る「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(仮称)」が策定される予定である。

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安倍首相が6月5日の経済財政諮問会議で外国人労働者の受け入れ拡大を表明して以来、一定の条件を付すものの「単純労働」への受け入れを拡大することは、事実上の政策転換とされ、注目を集めている。

一方で、菅義偉官房長官は「一定の専門性、技能を持った即戦力の外国人材を幅広く受け入れられる仕組みをつくりたい。来年4月から実現できるよう早期の法案提出を準備している」と話し、新たな在留資格に関しては「単純労働者ではなく、移民政策とは異なる」と強調しており、「移民政策なき移民の拡大」(毎日新聞7月10日付夕刊)と、曖昧さも指摘されている。

受け入れ対象とされる留学生の就職率は36%

むろん、上記は大きな問題なのだが、そもそもこれまで政府が外国人労働者の受け入れ対象の中心としてきた「留学生・高度外国人材」の成果が限定的であるという事実のほうが問題だろう。日本で就職を希望する外国人留学生は全体の約64%にのぼるが(日本学生支援機構の調査)、2016年度の大学(学部・院)段階における外国人留学生の国内就職率の実績は36.0%にとどまる。

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