金正恩の実兄「正哲」は一体何をしているのか ギターを弾きながら平壌でひっそり生活?
ホテルでも、正哲はわがままを言いだした。自分がはいていたズボンを、洗濯せよというのだ。飛行機の中でワインをこぼしてしまった。このズボンはお気に入りであり、明日はいてコンサートに行きたい、何とかせよと言って聞かない。
もちろんホテルのクリーニングサービスは終わっている。仕方なく太永浩らは、24時間営業のクリーニング店を探し出し、ズボンを洗ってもらったという。早朝の4時になっていた。
洗濯済みのズボンを正哲に渡すと、正哲はうれしがり、太永浩に対して、「チュク ネラ(ぐっとやれ)」とウイスキーの一気飲みを強いた。ウイスキーを飲むそぶりをして、逆に正哲に一杯勧めると、正哲は意外なことを話した。
「ロンドンに出発する前日、ある人が訪ねてきて一杯やった。飲み過ぎた」と言い訳をして、自分は飲もうとしなかったのだ。
金ファミリーの一員と一緒に酒を飲める人間は限られている。誰なのか……太永浩は「金正恩ではないか」と感じたという。
「ギターを買いたい」
翌20日、今度は「ギターを買いたい」と言った。太永浩が同行して、車でロンドンの有名な楽器商店街「デンマーク通り」に向かった。
正哲は店に入るとギターを手にして、即興演奏をした。演奏技術は驚くほど高かった。ギタリストでもある店の主人が近寄ってきて「名前を教えてほしい」「アルバムを出したことがあるのか」と聞いてきたほどだった。
太永浩が、正哲の随行員に聞くと「(正哲は)平壌でバンドを作っており、国内で公演をよく行っている」と説明したという。音楽漬けの生活をしているようなのだ。
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