北朝鮮の「非核化」費用、一体いくら必要か 基本を押さえておこう

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6月29日、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長(写真左)は、12日にシンガポールで行われたトランプ米大統領(同右)との米朝首脳会談で、「朝鮮半島の完全非核化に向けて取り組む」ことを約束した。6月12日KCNA提供(2018年 ロイター/KCNA)

[ウィーン 29日 ロイター] - 北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長は、6月12日にシンガポールで行われたトランプ米大統領との米朝首脳会談で、「朝鮮半島の完全非核化に向けて取り組む」ことを約束した。

これを受けて、ポンペオ米国務長官と北朝鮮当局者との協議が行われる予定となっており、トランプ大統領は最近、「完全な非核化が実現されるだろう。それはすでに始まっている」と発言している。

北朝鮮の非核化が実現すると仮定した場合、それはどのような形で実現し、どの程度のコストがかかるのだろうか。

「非核化」とは何か

非核化の定義は明確さから程遠く、米国と北朝鮮それぞれにとって異なる意味を持つ可能性もある。

それが厳密にどのような形となるかは、交渉次第だ。主要国との核合意の下でイランに認められたように、北朝鮮は、ウラン濃縮など、民生利用が可能な一部の核活動の継続を求めることも考えられる。

一方、米政府にとって、非核化は、最低でも北朝鮮の核兵器の脅威を取り除くことを意味する。

それには、既にある核兵器を国外に搬出するか解体し、核兵器を製造するプログラムを終了させ、ウランを濃縮したり、核兵器のもう1つの重要な材料であるプルトニウムを製造する北朝鮮政府の能力を制限したり除去する必要がある。

また、北朝鮮の弾道ミサイルプログラムを制限、もしくは解体することも必要になる可能性が高い。

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