「役立たずの受験英語」を劇的に改善する秘策

グローバル時代の英語教育は一つしかない

興味深いのは、関西にある私立の中高一貫校の取り組みである。

その学校では、今年度から一般教科と英語の教員がペアでCLILの試行を始めた。さまざまな科目の先生が年間数時間程度、英語で教えているのだ。これがなかなかどうしてなのである。

地理の先生はクラス全体だけでなくグループワークの際にも生徒たちに朗々と英語で説明しているし、数学の先生が使うシンプルな英語は数学の論理とマッチして、無駄がなくかえってわかりやすい。

体育の先生にいたっては、ソフトボールの捕球のコツを指南する際に、「Don’t go and catch the ball. Catch your dream!(ボールを取りに行くな。自分の夢をつかめ!)」とジョークまで飛ばしている。

公立小学校の先生が正規科目としての英語を教える(検定教科書を使って授業を行い、児童に成績をつける)時代である。中高の物理や歴史や音楽の教員が英語で自分の科目を教えることもありだろう。

日本語で勉強したほうが効率的だが…

こういった取り組みには、批判がつきものである。誤解していただきたくないのは、全ての教育を英語で行えと言っているのではないことである。

実際、CLILの授業では母語での学習で育てられた思考力や知識力を活用して指導を行うことが求められる。母語による教育の有用性や重要性は言うまでもないことであり、今後も本流であり続けるべきである。

ただ、すでに述べたように、使用言語と知識活用と思考方法のグローバル化が進む中で、これからの世代には国際言語による国際基準の教育も経験する必要がある。

また、現場の声に耳を傾けると、生徒からも教師からも、「教科を英語で学ぶ意味がわからない」という声が常に出る。確かに、母語が日本語である場合には、日本語で勉強したほうが効率的だし、細かく深いところまで網羅できる。

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