名門レナウンの窮地、繰り返す大リストラの歴史

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 そして転機は04年、紳士服専業のグループ会社ダーバンとの経営統合によって訪れる。子会社整理などの効率化を進め、04年度から3期連続の営業黒字を達成。2社合計で約300億円もの繰り越し赤字も潤沢な準備金の取り崩しで一掃。長きにわたって水面下をさまよっていたレナウンにとって、この回復はリストラの大きな成果としてたたえられた。さらに、05年11月には投資会社カレイド・ホールディングスによる100億円の増資で財務体質も大きく改善。勢いに乗ったレナウンは一気に「攻め」の戦略に転じる。

前述のアクアスキュータムの再強化に加え、かつて若い女性の高い支持を集めていたブランド「ノーマカマリ」を復活させるなど、手薄だったヤングキャリア向けブランドをテコ入れ。百貨店の売り場を確保するため、身の丈を越えた積極出店を進めた。だが、「そこまで打って出るほどの体力はなかったというのが率直な感想」(前社長の岡康久氏)。たちまち07年度には21億円もの営業赤字に逆戻り。今期の不振を招いた元凶ともなった。

こうして再びレナウンはリストラのいばら道を歩み始めた。業界関係者は、レナウンについてこんな皮肉を口にする。「アーノルドパーマー時代の遺産で30年間生き延びてきた」。それも立ち行かなくなったところでダーバンと経営統合、カレイドの増資を受け、一命を取り留めた。今年9月にカレイドから保有株を譲り受け、新たな筆頭株主となったかざかファイナンスは、「要望があれば、増資を受ける準備もある」(藤澤信義社長)というが、レナウンは「とにかく改革の進捗を見守っていてほしい」との構えだ。

「レナウンは必ず復活する」と繰り返す中村社長。飽くことなく何度も敷かれてきた背水の陣だが、消費が冷え込む逆風下、今回の改革で再建の歴史に終止符を打てるか。リストラ完遂が目的化してしまうと、また同じことの繰り返しである。

(撮影:今井康一 =週刊東洋経済)

堀越 千代 東洋経済 記者

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ほりこし ちよ / Chiyo Horikoshi

1976年生まれ。2006年に東洋経済新報社入社。08年より『週刊東洋経済』編集部で、流通、医療・介護、自己啓発など幅広い分野の特集を担当してきた。14年10月より新事業開発の専任となり、16年7月に新媒体『ハレタル』をオープン。Webサイト、イベント、コンセプトマガジンを通して、子育て中の女性に向けた情報を発信している

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