まちを歩けば、「縄文時代」の暮らしにあたる 貝塚など地層を剥ぎ取る「造形保存」の世界

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西久保八幡貝塚は伊皿子貝塚より少し新しい約3500年前にできたもので、森山さんが剥ぎ取った貝層断面はやはり港郷土資料館に並んでいる。貝殻のほか魚や動物の骨も多く出土しているのが特徴だ。

最後は、東久留米市の新山(しんやま)遺跡だ。下里小・中学校の建設に伴い発掘された縄文時代中期後半の集落跡で、中学校の校庭に柄鏡形住居跡や竪穴住居跡などの遺構が保存され、出土した土器や石器は小学校内の新山遺跡資料展示室に展示されている。

チバニアンの地層剥ぎ取りも予定

森山さんの工房の入り口にて(撮影:田附勝)

「新山遺跡は、40年ほど前に山中一郎先生によって調査・保存されたものです。それを昨年、再生しました。半年近くかかりましたが、その甲斐あって素晴らしい遺跡となっています。ディテールまで再現され、縄文人の生活が実感できます。これからの縄文遺跡発掘は、新山遺跡のようにどんどん詳細な調査が進み、何千年単位ではなく20~30年間といった世帯レベルでの縄文人の生活の再生も可能なのではないでしょうか」

森山さんは今年、「チバニアン」の地層剥ぎ取りも予定している。千葉県市原市にあり、地球磁場(N極・S極)が最後に逆転した地層の痕跡として大きな話題を呼んでいる。今後も数多の遺跡や地層が森山さんの手によって造形保存され、人類史・地球史の研究と教育普及を支えるのだろう。

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