自由を謳歌し始めたサウジの女性たちの実像 民族衣装「アバヤ」もジワリと変わり始めた

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ファッションデザイナーのエマン・ジョハルジーさん(写真:ロイター)

[サウジアラビア ジェッダ(ロイター)]- サウジアラビアで女性の自動車運転が解禁となった6月24日、ファッションデザイナーのエマン・ジョハルジーは友人たちとともに海岸通りに集まり、自転車から自動車に乗り換えた。

その場にいる多くの女性がゆったりとした、足先まで隠れる、より保守的な黒色のアバヤに身を包むなか、ジョハルジーたちがまとう色鮮やかで刺繍が施されたジャンプスーツのアバヤはひときわ目立っていた。それでも彼女たちを制止する者はいなかった。

結婚や海外旅行については依然許可が必要

自国経済を変身させ、閉鎖的な社会に新たな風を吹き込もうとする若きムハンマド・ビン・サルマン皇太子の先導により、この世界最大の石油輸出国にして極めて保守的なイスラム教徒の王国の女性たちは、急速に自由を手に入れ始めている。

サウジ政府は最近になって女性の軍への入隊を許可したほか、男性親族の同意を得ずに女性が商売を開始できるようにした。そして自動車を運転できるようになった。とはいえ、結婚や海外旅行については依然許可を取る必要がある。

ムハンマド皇太子は2年前、かつては街中で女性を呼び止め、肌を隠すように指導してきた宗教警察の権力を縮小することによって、映画館の復活や公共の場でのコンサート開催といった様々な社会変革の足場を整えてきた。最近では、灼熱のアラブの太陽が陰りを見せる夕方になると、プロムナード脇でスポーツに興じる女性の姿が見られる。

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