ネットのデマに踊る人が知らない悪行の正体

そこに広告出稿で手を貸す企業は信用を失う

だが、それだけではフェイクニュースは、ここまで拡大することはなかっただろう。ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディアが登場したことで、フェイクニュースはその勢いを増すことになる。ソーシャルメディアにより情報は加速度的に拡散し、より多くの人々に届くようになった。さらに、気の合う友達や考えが近しい友達の投稿を優先的に表示させたりする、ソーシャルメディアが持つ特性も手伝い、フェイクニュースは信じられやすく、拡散しやすいニュースとして強烈なインパクトをもたらすようになった。

このソーシャルメディアが持つ特性を活かす形で、フェイクニュースは政治的目的にも用いられるようになる。米国大統領選挙やフランス大統領選挙で拡散したフェイクニュースは、まさに、その典型的な例だ。

さらに、そこにAIも加わり始めている。今後はAIによって数々のバリエーションのフェイクニュースが量産されることも考えられるだろう。今でもすでに人間が直接手を動かすことなく、プログラミングするだけで文章を作成し公開し続けるような技術は使われているが、今後はAIが受け手の思想や思考に合わせ、さまざまな文脈でフェイクニュースが作られていくことも可能になる。テクノロジーの進化に合わせ、フェイクニュースも進化し続けているのが現状だ。

企業が失うものは「信用」と「お金」

もちろん、こういったフェイクニュースが拡がることで、企業のビジネスに対してもネガティブなインパクトが引き起こされることは想像に難くない。特にフェイクニュースの“ネタ”として利用された企業やブランドは、そのレピュテーション(評判、世評)が大きく損なわれるうえに、その回復に多大な時間、労力、コストが発生する可能性がある。

また、直接“ネタ”にされなくても、フェイクニュースを掲載しているサイトに対する広告出稿が原因で、企業やブランドのレピュテーションが損なわれるケースも少なくない。現在、インターネット広告は掲載に至るまでのプロセスが自動化されていることも多く、企業やブランドとして望ましくないサイトに広告が掲載されてしまうことも少なくない。そのため、顧客に不快感を与えてしまったり、企業やブランドとしてのスタンスを誤解されてしまうことも多い。実際、海外では、フェイクニュースを発信しているサイトへ広告が掲載されてしまったことで商品の不買運動に発展してしまうケースも起こっている。そのため、大手広告主企業の中では、インターネット広告に対する予算配分を大幅に見直し、出稿を制限するような動きも見え始めている。

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