ネットのデマに踊る人が知らない悪行の正体

そこに広告出稿で手を貸す企業は信用を失う

こういった状況の中、特に欧州では対策に向けて大きな動きが起ころうとしている。今年1月1日付でドイツで施行された、ヘイトスピーチやフェイクニュースを取り締まる新法が、そのひとつだ。これは、主にSNSを中心としたプラットフォーム企業に対するものだが、「“明らかにヘイトスピーチやフェイクニュースであると認められる投稿”が行われた場合、投稿から24時間以内に削除すること」が義務付けられている。この義務を果たさなかった場合、最大で5000万ユーロ(約64億円)の罰金が科せられる可能性もある。

そしてEU(欧州連合)も本腰を入れ始めた。EUの行政執行機関であるEC(欧州委員会)が今年4月26日にフェイクニュースへの対策に関する報告書を公開している。この文書の中で、フェイクニュース(ここでは“disinformation(虚報、デマ)”と表記されている)が拡散される原因として名指しはされていないものの、ツイッターやフェイスブックのようなプラットフォームについて言及されている。

実際に中身を読み込むと、これは報告書という体ではあるが、実質ツイッターやフェイスブックだけでなく、グーグルやアマゾン・ドット・コムなども含めた、米国のプラットフォーム企業に対する改善要求のようにも見て取れる。具体的には、ECは、これらプラットフォーム企業に対して、まず今年の7月までに、フェイクニュースに対する行動規範を設けることを求め、各企業に対し、それぞれ自主規制を強化することを要求している。そのうえで、今年末までにフェイクニュースの減少が見られなかった場合、法的な規制の導入の検討が行われるというものだ。

もちろん、これに対する米系プラットフォーム企業による反発は必至だと見られる。だが、昨年6月にECがグーグルに対して24億2000万ユーロ(約3000億円)の制裁金を課すような動きを見てもわかるように、近年のECは非常に強気だ。そこには、単にフェイクニュースに立ち向かう正義だけではなく、これ以上、米系プラットフォーム企業に支配的な立場を取らせたくない、EUの“本気”も見え隠れしている。

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。