3位は紙・パルプ用の国内フェルト市場大手の日本フエルトで、22.8年となっている。女性社員比率21.2%で、平均年齢は44.2歳。女性管理職比率は2.8%と高くはないが、一般職から総合職へのコース転換制度で女性の管理職登用を行うなど、積極的に登用を進めている。
また同社の残業時間はわずか月1.4時間。年間総労働時間も1838.5時間と少なく、ムリなく仕事と家庭が両立できる環境のようだ。
4位はJ.フロント リテイリング(数字は大丸松坂屋百貨店の値)の22.4年(平均年齢45.4歳)。女性管理職比率は31.3%と、今回の100社の中で最も高い。全社平均は6.9%なので、女性管理職比率は平均より5倍近い水準となっている。
以下、5位がエイチ・ツー・オー リテイリングで22.1年、6位がセーレンで22.0年、7位がユニチカで21.1年、8位が菱電商事で20.6年、9位が三越伊勢丹ホールディングスで20.4年、10位がコーセルの20.3年と続く。
上位10社で、女性管理職比率が高かったのは、髙島屋やJ.フロント リテイリングを含む百貨店勢である。それ以外は女性登用について、まだこれからといったところだ。ただ、各社とも候補となる女性社員は一定数存在しており、将来大きく伸びる可能性も高い。
全社平均は12.3年、電気・ガスが最長
女性社員数の最多は、86位のイオン(15.5年)で8993人。ほかには、70位ゆうちょ銀行(4987人)、78位LIXILグループ(3874人)なども多かった。
全体像も紹介しておこう。データが取れた全社982社の女性勤続年数の平均値は12.3年。対象企業10社以上では、電気・ガス業16.1年(11社)、繊維製品15.7年(20社)、鉄鋼15.6年(12社)などが長かった。一方で、サービス業7.2年(74社)、不動産業7.8年(22社)、情報・通信業9.3年(70社)などが短かった。このように勤続年数は業種によって、大きな差があることは知っておきたい。
女性活躍推進の動きもあり、ここ10年ほどで多くの大企業は女性が長く働けるよう、さまざまな環境を整えてきた。そのため結婚や出産などで会社を辞める女性は減っている。
しかし、今回紹介したランキング上位は、それ以前から女性を積極的に活用している企業ばかり。社風や取り組みなどに一日の長があり、より女性が働きやすい職場といえそうだ。
女子学生が就職活動を選ぶ際、ぜひ、こうした女性の勤続年数の数値を、『CSR企業総覧』でチェックしていただきたい。
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