起業してからの道のりも順風満帆ではなかった。経理は未経験だったので、本を読んで勉強したり、税理士さんに聞いたり、実践で学んでいる部分が大きかった。
最初の数カ月は売り上げが80万円くらいしかなく、厳しい時期を経験。何とか融資をしてもらうのだが、その後2年半は給料が遅れていた。仕事があまりない4月から夏頃に限って、従業員が失敗や事故を起こし、当時の会社にとっては多大な損失を出したこともある。車や工具などを盗まれたこともあった。
会社のスタッフを育てるのも大変だった。研修プログラムやメンタルプログラムなど経費をかけて一生懸命教えるも、若い人材は1~2年で辞めてしまうのだ。
「私の相方の元先輩が嫌になって辞めることもあれば、ネットワークビジネスで独立した子、プロボクサーの夢を追いかけて辞めた子など理由はさまざま。本当に教育は難しいですね」
さらにはわが子のことでも心を痛めた。離婚をしてからは自分の実家で子どもと暮らしているのだが、昨年まで現場で各地への出張も多かったため、学校の行事にはほとんど行けなかった。子どもには寂しい思いをさせてしまったと思っている。
「月に1回授業参観があって、たまに出席ができると、特に下の子はビックリした表情をして固まるんです。後で聞くと『ママが学校に来るなんて、夢かと思った』と。かわいかったですね」
「来月、会社が潰れてしまうかも」というときに
実は昨年7月、いろいろなことが重なり、今までにないほどのピンチを迎えていた。「来月会社が潰れてしまうかも」というところまで危機的な状況だったのだ。
「今の状況を打破するために、とにかくいろんな人に会おうと思いました。経営者80名の朝活に行ってみたり、建設業の会の幹部メンバーで温泉旅行についていったり。いろんなセミナーに行って、今までとは全然違ったことをしてみました」
すると、思わぬいい結果が生まれた。そのときの、温泉旅行の出会いのおかげで大きな仕事に繋がったのだ。
「やはり思ったのは、類友で集っていてはダメだということ。出会いが助けてくれることも多いんですよね」
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